初めての注文住宅は、慣れないことばかり、人生でも大きな買い物であるがゆえに失敗したくないですよね。
この記事では、プロが選ぶ失敗のポイントをランキング形式で1位から6位まで紹介!
失敗の防ぎ方や具体的な対策まで同時に解説しているので、お家づくりを考えている方、必見の記事です。
既に完成している分譲住宅とは異なり、一から住宅会社と創り上げていく注文住宅は、憧れもありつつ「失敗したらどうしよう」「思っていたのと出来上がりが違う」という心配が多くなりますよね。
今回は注文住宅における失敗の中で、よくあること・知っていれば避けられることを中心に、ランキング形式で紹介していきます。
住宅会社をある程度絞って、これから具体的な検討をしようかな?と思っている方にピッタリの内容になっています。
それでは、まず今回の記事の要点を抑えていきましょう。
・注文住宅における失敗の多くは、「平面的な視点」が原因のことが多い
・もっとも、よくある失敗は予算オーバーであるが、施主側と住宅会社側のコミュニケーション不足が原因
・住宅設計を立体的に考えないと、せっかくの新築でも残念なポイントが多くなってしまう
・図面では気付きにくい「音」「空気・温度」「光熱費」への配慮がされているか確認しましょう
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注文住宅の失敗とは
よくきく「注文住宅の失敗」とは、そもそもどんな内容なのか?
それは、「間取りの設計時点では気づかなかった残念なポイント」を指すことが多いです。
昨今はVRなどを活用して、完成イメージを提案してくれる会社も増えてきましたが、それでもなかなか平面図を中心にした打合せの中では、完成したイメージは共有しにくいものです。
また、住宅会社側も気づいていないポイントで、完成してみたら「使いにくかった」「コーディネートがイマイチ合っていない」ということは少なくありません。
今回は、このような「よくある失敗事例」と、そうならないための対策までご紹介していきます。
ランキング一覧
それでは、失敗ランキングを1位から見ていきましょう。
予算オーバー
まず1番目はなんと言っても「予算オーバー」です。
だれしも、おおよその予算を住宅会社と擦り合わせてから間取りや、設備機器の見積を調整していきます。
ただ、多くの方が「せっかくだから希望を全部詰め込んで、後から削ろう」ということで、最初の見積で予算オーバーしてしまいます。
その考え方でも間違いではありませんが、欲しいものを削っていく作業はどうしても迷ってしまい、作業としても少しネガティブですよね。
そのため、最初の見積は上限から少し下げた状態でスタートし、予算を見ながら必要なものを選別してプラスしていく方がよいでしょう。
見積の見るべきポイントを元住宅営業マンが徹底解説している、こちらの記事もオススメです!
また、家の予算自体も何を基準に上限を設定するのか?もしっかり考える必要があります。
イニシャルコスト(建築費総額)だけで考えてしまうと、建築後に掛かる費用(メンテナンス費用など)が発生したとき、もしくは住宅以外の教育費などで出費があるときなど、柔軟に対応しにくくなるリスクまで考え、住宅会社としっかり予算設定をしましょう。
費用・予算についてはこちらの記事をご覧ください。
外からの視線に配慮されていない
ここからは、具体的な建築プランにおける失敗ですが、2位にランキングした項目が「外からの視線への配慮」です。
よく南向きの土地が良いと言われますが、南向きの土地は道路が南側にあります。
住宅は一般的に日当たりをよくするために、南側に大きな窓を持ってくることが多いですが、南向きの土地は前面の道路から部屋を覗かれやすい設計ではいけません。
カーテンをすることで視線を遮ることはできますが、同時に開放感も少なくなります。
仕方ないこと、と思いがちですが、実は設計次第ではカーテンをしなくとも、外からの視線を気にすることなく、開放感抜群の家を創ることができます。
日当たりや開放感を求めて大きな窓を設けても、カーテンをずっと閉めたままでは、少し残念ですよね。
上記の事例のように、インナーテラスや窓の形状など、外からの視線を配慮して設計されることで、リビングを中心とした本当に明るく、開放感のある住宅の設計ができるでしょう。
上記事例を紹介した富山県の住宅会社「株式会社 結」では、インナーテラスを深堀した記事を紹介していますので、写真が気になった方は参考にご覧になってみてください。
インナーテラスは暮らしをアップグレードする「結」の設計こだわりポイント
どんな家を建てるかによって、その後のメンテナンスコストも変動します。
こちらの記事では、メンテナンスコストを抑える方法について詳しく解説しています。
収納計画が使いにくい
3位は建築前には心配されつつ、建築後にも後悔が多い「収納計画」です。
ただプロが感じる失敗点は、「収納が足りなかった」ではなく、「使いにくい」という観点です。
収納は、単純に収納面積を確保したらいいわけではなく、適材適所に配慮されているか否か、が収納の満足度を左右します。
ひと昔前には、納戸という形で4畳半程度の収納専用部屋を設けていましたが、今は納戸の採用率も下がってきています。
納戸に代わって、使いやすいように棚が備え付けてあるウォークインクローゼットの方がおすすめです。
また、どうしても心配になり “大きな収納場所が必要“ と思いがちですが、必要な場所に必要な収納をたくさん作る方が実際には使いやすく満足度の高いものになります。
キャンプ用品やお雛様等、かさばるモノはあらかじめピックアップして、メモ書きなどに残しておくと、いざ間取りを考える際に住宅会社側も決めやすくなるでしょう。
音の配慮がされていない
図面でわかりにくいポイントとして4位の「音」です。
気を付けるべき音の種類は、①家の中で響く音、②家の中の音が外に響く、③外の音が家の中に入ってくる、この3つになります。
1つ目の家の中で響く音については、もっともRC造では比較的出にくく、鉄骨で出やすい傾向にあります。
特に二世帯住宅の場合、上下で親子世帯をわけることもありますが、その際には床に敷く遮音シートや、排水管まわりの騒音に配慮するような仕様にしておきましょう。
2つ目、3つ目の家の中から音が漏れる、外から入ってくる、といったことがあります。
音は1つの面に対して、隙間があると、その場所から一気に入り込んでくる性質があり、主な原因は「換気の給気口」です。
特に隣地が近い土地で建築する場合、もしくは幹線道路など交通量の多い道路に接した土地で建築する場合は、「ダクト式1種換気」にすることで、この2つの事象を解決することができます。
ダクト式1種換気とは、換気機器で給気と排気を行い、各部屋の空気の入れ替えをダクトで持っていく換気方式です。
この換気方式を採用する場合、壁面に給気口が空くことはなく家の内外で音が出入りする場所がなくなり、騒音問題を一気に軽減することができます。
ちなみに気密性(C値)は、騒音に関しての影響はほぼなく、むしろ解説した換気口のサイズの方が隙間面積は圧倒的に広く、C値がいい工務店を選ぶより、換気方式をダクト換気に変更する方が効果的です。
温熱環境に配慮がされていない
5点目は温熱環境で、これは1年住んでみて初めてわかるポイント。
失敗かどうかがわかりにくい部分であり、人によっても感じ方が異なるため、非常に難しい悩みです。
しかし、新築計画時点である程度防止することができます。
結論としては、断熱性能を最低でもZEHレベル(断熱等級5以上)にすること、窓サッシは最低でも外側も樹脂のサッシ(例:YKK/APW330、LIXIL/樹脂窓EWなど)を採用することがおすすめです。
コスト的に可能であれば、断熱性能をHEAT20のG2グレード(断熱等級6)までもっていくと、より一層快適性をあげることができます。
しかし、正直G2以上は体感上も、エネルギー上も差が出にくくなりますので、G2グレードまでがおすすめと言えます。
北陸も地域によっては冬の寒さが厳しいエリアもあり、昨今は夏場の平均気温が上がっているため、断熱性能の確保は新築時における必須テーマでしょう。
新築時に大事な「保証」について、しっかり学びたい方にはこちらの記事がオススメ。
光熱費がかかりにくい仕様になっていない
ひきつづいて、5点目の断熱性能だけでなく、家のランニングコストで1番大きな光熱費が抑えられる仕様になっているか?です。
この光熱費に直結するポイントには「一次エネルギー消費量」という視点があります。
一次エネルギー消費量とは、1年間でその家が使うと想定されるエネルギー(電気やガスなど)を数値で表すもので、地域・家の大きさ・仕様等を設定すると、どれぐらい省エネな家なのか?を計算することができるものです。
ZEH補助金などを受ける場合、長期優良住宅の認定を受ける場合など、必ず計算する項目となっており、断熱性能だけでなく、いかに省エネな家になっているか?を契約前にしっかり確認しておくことで失敗を防ぐことができます。
では、どんな家であればランニングコストがかかりにくいのでしょうか。
結論としてはガス併用の住宅ではなく、オール電化+太陽光発電の仕様がもっとも、ランニングコストを抑えることができます。
特にエネルギー消費が大きい「暖房」や「給湯」で、省エネ性の高い機器を導入することで、無理のない節約に直結します。
もちろん全体コストで採用できるか否か、悩むポイントかと思いますが、かけたイニシャルコスト以上に抑える効果が高いことは発電量や、昨今の高い電気代からも明白であります。
また太陽光発電や蓄電池については、別の記事で詳しく紹介していきますので、楽しみにお待ちください。
まとめ
それでは、あらためて「失敗ポイント」を整理してみましょう。
①予算オーバー
まずはランニングコストまで含め予算の協議をすることと、最初の見積は上限いっぱいでスタートしないようにしましょう。
②外からの視線が気になる
外からの視線を周辺環境まで考えて、リビングの窓設計がされているか確認しましょう。
③収納計画
何を収納したいのか、メモ書きでもまとめておくと住宅会社側も設計しやすく、期待外れになるリスクが薄れる。
④音への配慮
幹線道路沿いや隣地が近い場合には、換気口から洩れる音の配慮をしっかりしておくことで、だいぶ軽減できる。
⑤温熱環境や空気質
断熱性能は最低でもZEH相当(北陸では大方のエリアでUA値:0.6W / ㎡・K以下)以上の断熱性能をおすすめします。
⑥光熱費がかかりにくい仕様
5番目の断熱性能にある程度比例する部分ですが、断熱に加えて省エネ性が高い暖房機器や給湯設備で光熱費を抑えましょう。太陽光発電や蓄電池などのシステムも有効です。
以上で、注文住宅で失敗しやすいポイントと、それに対する具体的な対策を紹介してきました。
この記事を参考に、失敗・後悔の少ない家づくりをしてください!
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