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禁断!?元住宅営業マンが語る注文住宅の見積で確認するべき注意点

注文住宅の見積は項目がたくさんあり、また初見の内容も多いため分かりにくいですよね。

今回は元住宅営業をやっていた筆者が、契約前の見積を取る時点で気を付けるべきこと、そして変更契約時点での気を付けるべき注意点などをまとめて整理しました。

 

今回は、新築でも特に注文住宅を考えている方の中で、共通している気になるポイント「見積」についてです。

車のように同じモノで、グレードごとに価格が決まっていれば比較もしやすいですが、家は同じ工務店でも大きさ・仕様などによって全然違います。

これが、他の工務店とも比べるとなると、もう大変です。

今回は、注文住宅における見積の見方や、気を付けるべきポイントにしぼってお伝えしていきます。
それでは、まず冒頭にお伝えしたい結論からです。

結論

・家は本体価格だけでなく、付帯工事(屋外工事)や申請などに伴う諸費用が掛かる

・坪単価は、本体価格を床面積で割り算した価格であり、総費用で見るともっと高くなる

・標準仕様の仕様を確認し、グレードを変更するといくらぐらいアップするか?は契約前に確認する方がいい

・本体価格だけでなく、外構・カーテン・エアコンなどが含まずに見積を安く見せるケースがある

・スイッチやコンセントなどで追加金額がかかることもあり、追加で費用が発生しそうな項目・もしくはよく追加で発生する項目を事前に聞いておく

・会社ごとに申請費用すら異なるため総額見積をもらうまで、比較できない

注文住宅の全体の費用

 

上図は注文住宅における、総予算で掛かってくる項目を大枠で捉えた解説図です。

建物本体費用は、家本体(外壁・構造体・基礎など)の価格、そしてキッチンや給湯器など生活に必要な住宅設備機器、さらにはカーテンや照明などから構成されます。

そして、付帯工事もしくは屋外工事と呼ばれる費用は、水道や電気といったライフラインを整える工事(水道管から土地に引き込む工事や電柱と家をつなぐ工事など)です。

最後に、自分の家という証明を法務局に行う登記や、家を建築するための確認申請に伴う費用、ローンの手数料や保険関係で必要な費用があります。

この費用は諸費用と言って、全体のコストからすると約1割程度にもなる費用です。

坪単価は建物本体+設備の費用のみ

 

家づくりを始めた方であれば、一度は聞いたことがある坪単価。

坪単価が100万円は高い!50万円なら安い!といったような感覚ではないでしょうか?

昨今は、坪単価表記で「明細の無い見積」を出す会社はだいぶ減ってきている印象ですが、坪単価だけでその会社が高いか安いか、は判断できません。

理由は、上図で表すように坪単価が表す部分は、建物本体(設備機器含む)だけの金額だから、です。

確かに見積において過半数を占める部分ではありますが、他にも検討すべき項目があり、坪単価だけで安い・高いを比べると、” 結局高い買い物 ” になりかねません。

気になっている会社は、最終的にちゃんとした見積までもらうようにしましょう。

標準仕様のワナ

 

つづいて、これも坪単価と同じようによく聞く「標準仕様」について見ていきましょう。

ここも落とし穴が多い部分であり、思い込みで進んでいくと後で後悔するポイントになりかねません。

標準仕様のグレードや選択肢は契約前に確認

標準仕様の仕様を確認し、グレードを変更するといくらぐらいアップするか?は契約前に確認することをおすすめします。

見るべきポイントは以下のとおりです。

 

 

標準仕様という方法は、業界的に多く使われていますが、これはあくまで「住宅会社都合」のものであり、本来は非常に不親切な手法です。

住宅会社都合とは、契約前の顧客の見積にそこまで時間と労力を割けないという事情があることです。

住宅は1棟あたり約1万点の部品・部材で成り立つとされており、その1万点の見積を見積依頼ごとに正確に取っていると、時間も1ヶ月近くかかってしまうわけです。

契約を必ずすること前提であれば、契約前にしっかりした見積を出すことができるはずですが、全員にそんな対応をしていれば、お施主様側も困ってしまいます。

そのため、キッチンやクロスなど、その会社が標準的によく使っているもので基準価格を設定して、概算見積をつくるために「標準仕様」が存在します。

その標準仕様が、自分たちの許容範囲内であれば。もしくは自分たちの希望しているグレードであれば問題ないですが、そうなっていないことが多いです。

まずは標準仕様で設定されている各設備などを確認しておきましょう。

変更契約で金額が下がることは稀

 

一般的に多いケースは、標準仕様+希望の追加設備の概算見積で、最初の請負契約を行います。

その後にショールームに行ったり、仕様変更の打合せを重ねたりしていきながら、調整をしていきますが、最終的な変更契約でマイナス契約をすることは「稀」です。

これは大手ハウスメーカーや規模の大きいビルダーと呼ばれる会社では多い傾向となっており、理由は標準仕様で設定されている仕様が「ベーシック」なものが多いためです。

最初の仕様がベーシックすぎると、ショールームなどに行ってグレードアップすることはあっても、下げれないという事態になるわけです。

意外と、地場の住宅会社などでは「標準」をグレードの高い仕様に設定しているような会社もあり、金額の変更をほとんどしなくても、ストレスなく仕様決めができる場合もあります。

そのため、最初の「標準」をどこに置いているのか?は非常に重要です。

変更契約の金額は要注意

 

これは住宅会社ごとに様々な事情であり、営業マンの裁量でも変わってくる部分ですが、標準仕様からの変更に対する見積差額はしっかり目を通しましょう。

コストを抑制しようとして、グレードダウンの仕様にしたにも関わらず、住宅会社によってはそのグレードダウンの金額を少なくする、もしくは吸収するようなこともあります。

今では少なくなってきた印象ですが、上記のようにまるでジャイアンのような見積基準を設定している会社もあり、契約前に変更契約に関わる金額設定の基準などは聞いておきましょう。

これも住宅会社側の事情では、契約時点で規定の粗利額が取れていない可能性があり、それをカバーするために変更契約で取る追加分は多めに利益を取る、ということもあります。

ただ、それも住宅会社側の都合であり、道理が通っていない部分は協議しましょう。

含んでいないモノをしっかり確認する

 

ここまでは標準仕様について深堀してきましたが、続いては最初の契約時点で「含んでいないものを確認すること」について解説していきます。

最初にお見せした表で解説すると、外構・カーテン・エアコンなどを含まずに見積を安く見せるケースがあります。

また地盤改良費用を別途、擁壁工事を別途にしていると、数十万円~数百万円単位でコストがアップする可能性を秘めています。

そして引越し費用まで入れるかどうか?は意見が分かれるところですが、中には必須である火災保険まで別途で見積を出す会社もあり、意図的に見積を安くしている可能性があります。

このような「別途」になっている項目をハッキリさせて、同条件にしないと住宅会社のコスト比較はできません。

追加でよく発生する項目を聞いておく

《出典:パナソニック》

 

標準仕様だと思っていたら、スイッチやコンセントを基準より多く付けると追加金額がかかることもよくあります。

追加で費用が発生しそうな項目や、よく追加で発生する項目を事前に聞いておくと良いでしょう。

スイッチやコンセント以外では、以下のようなものが追加設備としてよく導入されています。

 

 

はじめての家づくりで、契約時点では気づかないことも多くあるでしょう。
オール電化は金額を大きく変える部分であり、最初はガス併用で見積を安く抑えることも考えられます。

また細かい点ではありますが、収納内部に棚がないことや洗濯物を干す場所がないことはよくあります。
そして分譲住宅などで多いケースでは、キッチンの背面収納はオプション扱い。

このように、標準のように見えて実は標準ではなく、よく追加項目として発生する項目はあらかじめチェックしておきましょう。

申請費用も会社で違う

 

最後は、申請費用についてです。
実は、住宅会社ごとに申請費用すら異なってきます。

ここで言う申請とは、確認申請費用・長期優良住宅の申請費用・構造計算費用(壁量計算と許容応力度計算で全然異なるため単純な比較は危険)・登記に関わる申請費用などのことです。

公的な申請だから金額は一律じゃないの?と思うかも知れませんが、手数料はそれぞれの会社によって異なります。

また、同じように見える耐震に関する計算も、計算方法によって金額が違うため、内容も含めてご家族の価値観に合ったものはどっちか?その費用が相場から大きく外れていないか?も確認が必要です。

大幅に高いケースは、複数社の見積を取ることで分かるため、契約前には相見積もりをかけましょう。

まとめ

 

筆者は元住宅営業マンのため、様々なところから見積の金額の適正性を判断してほしいと相談が来ます。
そこで分かることは、上記のように見積は会社によって「結構」違います。

悪意のある見積はほとんどありませんが、相場より高いと思われる項目が交じっていることはよくあります。
本体費用が安くても、そういった申請費用やオプションが高ければ、納得のいく買い物にはなりにくいでしょう。

いずれにしても、時間的にも余裕を持って冷静に「同じ条件の総額」で比較検討することが大事です。

 

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