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今払っている家賃からの逆算はNG!家計全体から考える注文住宅の予算

家賃から注文住宅の予算を考える人も多いのではないでしょうか。

しかし、実はその方法では少し足りない部分があります。
注文住宅を考える際、予算は重要な要素ですが住宅ローンの支払いだけに着目しているとリスクがあります。その対策と解決策も確認!

 

賃貸に住んでいて新築を考えた時、今払っている家賃をベースに考えると良い、という話を聞いたことがあるのではないでしょうか?

しかし、新築の予算を今の家賃から逆算して合わせにいくと、想定外なことが起きるリスクが高いです。

今回は、そんな「家賃から逆算するとダメや理由」や、「どのように予算を考えれば良いのか?」といった答えが見つかる内容になっています。

それでは、まずは当記事のポイントを見ていきましょう。

ポイント

・今の家賃や家計状況をベースに考えると、想定より支払いが厳しくなることも想定されます

・光熱費は新築へ引っ越しすると高くなる傾向にあるが、オール電化などで抑えることも可能

固定資産税や住宅ローン控除の金額も、年間収支として考えておきましょう

メンテナンス費用は新築後10~15年後、お子さんの教育費が増えてくる時期と重なるリスクを想定(その時の年収も考慮)

余裕を持った返済負担率から、住宅ローンの予算を設定するコトが大事で、その比率は20~25%(できれば20%以下)がおすすめ

アパートの家賃別の住宅ローン金額の目安

 

まず、逆算はNG!と言っても月々の支払いが、住宅ローンの総額ではいくらぐらいになるのか?は気になるところですよね。

月々の支払い金額別で、住宅ローンの「借入可能額」「総返済額」「借入ができる年収想定」を見ていきましょう。

 

月々の支払額借入可能額総返済額年収換算・借入可能額
60,000円2,230万円2,520万円
70,000円2,600万円2,940万円
75,000円2,790万円3,150万円400万円
80,000円2,970万円3,360万円
85,000円3,160万円3,570万円
90,000円3,350万円3,780万円500万円
95,000円3,530万円3,990万円
100,000円3,720万円4,200万円
105,000円3,910万円4,410万円
110,000円4,090万円4,620万円600万円
120,000円4,460万円5,040万円
130,000円4,840万円5,460万円700万円
140,000円5,210万円5,880万円
150,000円5,800万円6,300万円830万円
※35年・金利0.7%・元利均等・ボーナス併用無

 

上記の表は、ボーナス有無、金利、プランによっても大きく変動してくるため、あくまで参考程度とは言え、月々の支払い金額から借入可能額のイメージはできましたでしょうか。

今の家賃と同じ?

 

仮に今の家賃が7万円だったとすると、そのまま7万円の支払いにしたい!と考えると、借入可能額は約2,600万円となります。

しかしこの金額は、土地を両親から譲り受ける、頭金を1000万円持っている、などの補足条件がないと、北陸の各都市部での一般的な相場から考えても、「土地 + 新築」を頭金なしでの購入は少し現実的ではありません。

つづいて、この段階の次は「いくらまでなら払えるかな?」と考えがちですよね。

無理をすれば10万ぐらいはなんとか… ” と考えがちですが、ココが実は落とし穴です。

なぜ、そのように考えるとリスクを伴うか、を解説していきます。

新築したら家計全体を見直すべき3つの理由

今、お住まいの建物はどんな建物か見た時、賃貸アパートもしくは賃貸マンションという方が多いのではないでしょうか。

自己所有の新築へ引っ越したとき、賃貸と事情が異なる要素が3つあります。

その3つとは、光熱費・税金・メンテナンス費用です。

それぞれ、どんなポイントに気を付けたらいいのか?ライフプランとして、どのように考えていけばいいのか?を見ていきましょう。

光熱費

《出典:北陸電力

 

まずは光熱費ですが、新築へ引っ越すと家の大きさが大きくなる場合が多く、冷暖房などで使うエネルギーは増え、同時に光熱費も高くなる傾向があります。

現在の賃貸住宅で、ガス・電気併用の場合からオール電化住宅へ引っ越すと、安くなることも想定されますが、季節によっては光熱費が賃貸の頃から、1万円程度高くなることも想定しておきましょう。

また現在、世界的にエネルギー単価が上昇を続けており、全国的にも電力単価の安い北陸電力でも、大幅な値上げが実施されます。

光熱費は一生のローンとも言われており、光熱費をいかに抑えるための住宅に設計するか?という視点は新築の設計を考える上で非常に重要です。

断熱性を高くする、省エネ性能の高い冷暖房機器や給湯機器を採用する以外にも、太陽光発電や蓄電池といった創エネ設備を導入することも有効と言えます。

このように、家計全体からの出費で、現在の賃貸+光熱費で考えていくと、光熱費が高くなることも想定して、余裕を持った住宅ローンの支払い額を検討するべきでしょう。

税金とローン控除

《出典:住宅の補助金・減税・優遇制度オールガイド

 

2つ目は税金です。

固定資産税は家・土地の大きさ・場所などで大きく変わってきますが、1年に1度固定資産税の支払いがやってくるため、年間の収支としても想定しておくべきでしょう。

仮に、建物購入額が3,000万円の場合で、評価額を50%(木造)= 1,500万円(評価額)の場合、固定資産税の年額は15万円(新築後3年間)になります。

 

固定資産税・都市計画税

税率は固定資産税:1.4%、都市計画税:0.3%
新築の場合、当初3年間(長期優良住宅は5年間)の軽減措置があり、
・固定資産税:1,500万円 × 1.4% = 21万円(新築後 3年間は10.5万円)
・都市計画税:1,500万円 × 0.3% = 4.5万円
・合計:15万円(新築後3年間)、3年後は評価額変動のため約20万円前後

 

ただ、住宅ローンを組んでいる方は、固定資産税というマイナス面だけでなく「住宅ローン控除」があります。

確定申告等が必要であったりと、少し面倒ではありますが、その年に納めた所得税や住民税が、住宅ローンの残高に応じて還付される制度です。

年収や借入額、扶養家族などによって様々なため、一概にお伝え出来ませんが、借入額3000万円・年収500万円で13年間で約220万円程度の還付になります。

メンテナンス費用

 

最後はメンテナンス費用です。

新築後、おおよそ10年程度は大きな金額はかかってくることは少ないですが、10~15年後に掛かってくる費用を考えておきましょう。

特に、新築される方はお子さんが幼稚園~小学生という方が多いですが、15年後は大学生前後となっており、教育費と住宅のメンテナンス費用が重なってくるため将来的なことも見越したライフプランを建てるコトが大事です。

15年後に掛かってくると想定されるコストは以下です。(35坪程度の住宅を想定)

 

15年後に掛かってくると想定されるコスト

・外壁の塗り替え費用:約100万円~
・屋根の塗り替え費用:約50万円~
・設備の更新
(トイレ)約20万円~
(キッチン)約100万円~
(お風呂)約100万円~
(洗面化粧台)20万円~
(給湯器)30万円~
・その他、想定される工事:シロアリ、バルコニー防水処理、玄関ドア、冷暖房器具、床

 

外壁の塗り替え以外にも、設備や内装も傷んでくるため、状況に応じて更新が必要になってきますが、数百万円単位のコストがかかってきます。

このようなコストも、できれば月割りにして貯金しておくことで安心感が高いライフプランを送れるでしょう。

自分に合った適正な借入額の見極め方

それでは、最終的に自分にあった適正借入額はいくらなのか?を考えてみましょう。

余裕を持った返済負担率

 

まずは「余裕を持った返済負担率」から設定することがおすすめです。

返済負担率とは、年収額に占める住宅ローンの返済額の割合です。

以下は、限界まで借入ができる返済負担率と、余裕を持った返済負担率になります。

 

年収400万円未満年収400万円以上
フラット35返済負担率30%まで35%まで
おすすめの返済負担率20~25%以下(できれば20%以下)20~25%以下(できれば20%以下)

 

年収額によって、年収に占める割合は変わってきますが、概ね30%前後を最大値に設定はできるものの、最大負担率から5%以上は余裕を持って住宅ローンを組むことをおすすめします。

例えば年収500万円であれば、

500万円 × 20~25% = 100〜125万円(月々8.3~10万円)を目安に設定しましょう。

 

《出典:価格.com

 

上記の割合でも、返済負担率では全体の7割が25%未満となっており、余裕を持った資金計画になっています。

ボーナスがある程度保証されている会社にご勤務の場合は、ボーナスを併用することで月々の返済額に余裕を持たせることもできるため、金利やボーナス併用を上手く活用しつつ、家計全体で余裕を持った資金計画を立てましょう。

まとめ

 

賃貸で支払っている家賃は、ある程度参考になるものの、自己所有になると税金やメンテナンス費用などが掛かってきます。

このような費用も考慮して、住宅ローンの返済額を考えておくことが重要です。

そして、昨今はZEH住宅のようにランニングコストを抑える住宅が主流になりつつありますので、新築設計時においても「家の光熱費」や「将来的にかかってくる費用」を参考としても出してもらうとよいでしょう。

いずれにしても、家賃=毎月の返済額ではなく、家計全体を冷静に分析することが重要であり、家計簿などを付けてみることから始めてもよいでしょう。

 

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