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北陸では太陽光発電は付けない方がいい?太陽光発電をわかりやすく解説

石川や富山、福井など北陸エリアで太陽光発電システムを導入しても元が取れないのでは?と疑問に思っている方もいるのでは。

北陸で太陽光発電を設置する理由や、太陽光発電のメリット、そして太陽光発電の効果を最大化させる使い方のコツなどを紹介します。

 

今回は電気代が高騰している中で、ひそかに再注目されている「太陽光発電システム」についてです。

設置しても意味がない、元が取れない、特に北陸では設置しない方がいい、なんてSNSなどで聞いたことはありませんか?

実際に本当にそうなのか、わかりやすく根拠を交えながらお伝えしながらみていきます。

では、まず今回の記事のポイントです。

ポイント

・北陸でも太陽光発電の設置は、電気代の節約効果がかなり見込める

・太陽光発電に注目するべきポイントは、売電ではなく自家消費!

・太陽光発電の売電単価は昔に比べて下がったが、それ以上に太陽光発電システム自体がお買い得になっている

・北陸エリアは、冬場は発電量がもちろん落ちるものの、年間を通して考えれば設置しても損をすることは考えにくい

EV(電気自動車)や蓄電池を組み合わせると、さらに効果がアップ

太陽光発電の効果とは

 

太陽光発電には大きくわけて2つの効果があります。

昼間に発電した電気を自分で使う「自家消費」と呼ばれる効果が1つ目です。

そして、発電した電気を自分で使っても、余ったら電力会社に売る「売電」と呼ばれる効果が2つ目です。

昨今は、太陽光発電の売電単価が昔に比べて下落してきているので、効果が出ないと言われる方もいますが、実は売電の効果は薄くてもそこまで問題ではありません。

むしろ、昨今値上がりが顕著である電気代を抑制する、1つ目の自家消費の効果が大きくなってきており、太陽光発電は光熱費の節約効果を生み出します。

電気代が高くなっている理由を知りたい方は、こちらの記事がオススメ!

太陽光発電の効果は「自家消費」にあり

太陽光発電は朝方に発電を開始し始めますが、この発電した電気は以下のような使われ方をします。

 

※ワタシゴト作成

 

太陽光発電がない場合、その月に使う電気量=全て電力会社から買う電気です。
例えば500kWhという電気量を使っていれば、その500kWh分の請求がきます。

これは当たり前の話ですが、太陽光発電が設置されている場合、少し事情がちがってきます。

太陽光発電で発電した電気は、まず自宅内で使っている電気に充当されます。(自動的に)
これを自家消費と言います。自分で電気を作って自分で使う

そのため、「家で使っている電気量」は同じ(例えば500kWh)だったとしても、自家消費した分は太陽光の電気でまかなっており、電力会社から電気を買わずに生活していることになります。

仮に、発電した電気の一部を自家消費したとします。
その自家消費した電気量が150kWhだったとすれば、本来500kWh分の電気を使っていても、電力会社から請求がくるのは太陽光発電の自家消費を引いた350kWh分(500kWh-150kWh)になります。

北陸電力のオール電化向けプランでは、昼間の買電単価は実質30円を超える場合もあり、「比較的高い単価の電気を買わずに済むメリット」は実感としては分かりにくいものの、効果としては大きいです。

月に4,800円の副収入が

出典:ニチコン株式会社

 

さらに太陽光発電の2つ目の効果である売電は、昔に比べて単価が下がって意味がない、と聞くこともあるのではないでしょうか。

上図のように、確かに売電単価は毎年下落していますが、一般的な太陽光発電システム(4.8kW)を導入した場合、それでも月平均4,800円の収入が入ってきます。

 

出典:パナソニック・エネピタ/ワタシゴト試算

 

2023年度に、新規で太陽光発電を設置される方の売電単価(住宅用・10kW未満)は16円ですが、このように年間で約5.8万円もの収入が返ってきます。(金沢市・4人家族・太陽光発電4.8kWでの試算)

もし、年間で6万円も副収入があれば、家族旅行に行くのもよし、おいしいものを買ったりするのもよし、と色々な楽しみがありますね。

太陽光発電は根拠のない噂が多く、そのような噂を鵜呑みにしていると、知らないうちに損してしまうことになるので注意しましょう。

太陽光発電自体が昔に比べてかなりオトクに

出典:資源エネルギー庁

 

ただ、そうは言っても、昔の方が売電単価も高くてオトクだったのに、いまさら設置をするのも…と思う方もいるのではないでしょうか。

結論から申し上げると、昔に比べて設置費用が下がっているにも関わらず、同程度の経済効果が見込まれるため、今から設置しても決して遅くはありません。

太陽光発電のブームが始まった2009年頃は、kW単価が約50~60万円と今の倍以上のシステム価格が相場でした。

現在、太陽光発電の一般的な相場がkWあたり25~30万円 / kW(資源エネルギー庁のデータでは21年度平均・28.0万円 / kW)のため、4.8kWの太陽光発電の設置費用相場は約120~144万円となります。

上図のシミュレーションでいけば、単純なオール電化住宅と比べて、年間の光熱費削減額は約12万円(自家消費の効果も含める)となっており、太陽光発電システムの初期コストは約10~12年程度で元が取れる計算になります。

売電・自家消費・設置コストのバランスを考えると、おおよそ5~6kWのシステムがおすすめの容量になります。

北陸でも設置して効果あり

次のステップでは、北陸エリアの方であれば、「冬場は晴れも少ないし、太陽光発電は本当に効果あるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

今度は北陸3県の年間の天候を踏まえた、太陽光発電のシミュレーションをまとめてご紹介します。

石川県金沢市の場合

出典:パナソニック・エネピタ/ワタシゴト試算

 

金沢市の場合、一般的な太陽光発電システムの容量である4.8kWを設置した場合、年間での経済効果は約12万円です。

グラフを見て頂くと、11月~2月は発電量自体が減っているものの、年間を通じた発電量は5,358kWh(月平均446kWh)となっており、2人以上世帯の年間平均使用量と同等の発電量が見込めることになります。


富山県富山市の場合

出典:パナソニック・エネピタ/ワタシゴト試算

 

富山市の場合も、金沢市と同じように年間での経済効果は約12万円(太陽光発電システムは4.8kW)となっています。

金沢と同じように冬季の発電量は大きく落ちているものの、春・夏・秋にはしっかり発電が確保できており、年間を通じてみれば雪国である富山でも太陽光発電システムを導入する価値は大いにあります。


福井県福井市の場合

出典:パナソニック・エネピタ/ワタシゴト試算

 

福井市の場合も同様、年間の経済効果は約12万円(太陽光発電システムは4.8kW)となっています。

金沢や富山と比べて、若干発電量が多いものの誤差の範疇であり、北陸エリアにおいては5kWぐらいのシステムで約12万円の効果がある、と覚えておくとわかりやすいでしょう。

北陸でも設置の効果は大いに出る

 

上記では北陸3県で試算をしてみましたが、シミュレーションは月の電気使用料を約1.4万円のオール電化住宅と仮定していることや、最も効果の高い5~6kWより容量を少なく計算していることから、安全をみたシミュレーションになっています。

昨今の光熱費の状況などを考慮すると、本来は自家消費の効果がもっと高く出る可能性が高いため、これ以上の効果を期待して設置しても、大きく外れることはよっぽどないでしょう。

 

EV(電気自動車)や蓄電池との相乗効果

 

さて、ここで2つの太陽光発電のデメリットを補うにはどうしたらいいのか?紹介していきます。

太陽光発電の2つのデメリットはこちらです。

昼間しか発電しないこと
発電した電気を使い切れないこと(余剰電力が大きく出てしまう)

約5~6kW程度の太陽光発電システムがおすすめ、という話をしましたが、この容量の太陽光発電は、普通に晴れの天気であれば、概ね4kW程度は発電します。(条件により左右される)

解説した通り余剰電力の買取単価が下がってきており、余らせて売るより自分で使った方がオトクですが、一方で普通に生活をしていると電気を「そこまで自家消費できない」ことも課題の1つです。

特に共働き世帯であれば、平日の日中は家にいないと、発電した電気の多くが余剰電力になり、売電で副収入になるとは言え、少し勿体ない状態になります。

 

電気自動車に充電するだけであれば安価で自家消費率を高める

出典:日産自動車

 

そこで自家用車をEV(電気自動車)にしたとしてみましょう。

EVのメリットは自宅で充電できることです。

この充電に太陽光で発電した電気を充てると、移動にかかるコスト(≒ガソリン代)を太陽光発電の電気でまかなうことになります。

概ね5kWの太陽光発電を設置して、1日晴れていれば約20kWh以上の発電量が見込めます。

冷蔵庫・照明など宅内で自家消費される分もあるので、仮に発電した電気20kWhのうち、半分の10kWh分をEVに充電できたとします。

その電気量は、EVの走行エネルギーに変換すると約70km分になります。(日産リーフ・150W/km想定)

土日しか車を使わない場合であれば、週に3日も晴れていれば太陽光発電のエネルギーだけで200km分以上のエネルギーをEVに貯められることになります。

最近は日産自動車からも軽EVのサクラが発売されたりして、EVが手頃な価格で手に入りやすいのと共に、太陽光発電との組み合わせで一層EVの経済効果が高まります。

なお、太陽光発電の電気をEVに充電するだけであれば、200Vコンセントが1個あればよいので、工事費も安く設置できます。

 

蓄電池は災害対策&共働き世帯に有効

出典:シャープ株式会社

 

通勤などで車は毎日使う、そして共働き世帯で日中に家に不在にしていることが多い方には、住宅用の蓄電池の併設がおすすめです。

住宅用蓄電池は家の屋内・屋外に設置する蓄電池で、様々な容量がありますが、どの機種も太陽光で発電した電気を昼間にためて、夜間にその電気を使う運転を想定した設計になっています。

「電気の自足自給」の生活を行いやすく、昼間に発電した電気を夜間や、雨天時に割り振ることができるため、さらに自給率が上がっていきます。

5~10kWh前後の容量が人気で、太陽光発電とのセット導入であれば、初期費用次第では約15年程度で元を取れる場合もあります。

ただし、北陸電力管内は比較的電気代が安いため、他の地域と比べると回収年数が長くなる可能性が高く、災害対策も兼ねて考えておくのが良いでしょう。

 

蓄電池についてもっと知りたい方は、こちらの記事がオススメ!

まとめ

 

太陽光発電システムは、訪問販売などの影響であまりいいイメージを持っていない方も少なくありません。

しかし、正しい施工を行う会社であれば雨漏りなどの心配も不要で10年以上に渡るメーカー長期保証が標準で付帯されている設備です。

電気代が高くなっている今、自己防衛策として太陽光発電を導入するメリットは、雪国である北陸エリアでも非常に大きいです。

正しい知識をもって検討することが大事で、シミュレーションなどを参考にしながら、ぜひ太陽光発電や蓄電池を考えてみてはいかがでしょうか。

次回の記事では、蓄電池に関する内容を取り上げていきますのでお楽しみに。