夏・冬ともに活躍するエアコン!しかし、電気代(光熱費)がかさんでしまう原因の1つでもありますよね。
今回は、エアコンの特性の解説から、省エネ性能が高いエアコンの判断の方法、
ご自身ですぐできる効果的な節約方法や、後半は補助金のオトクな情報まで網羅していますので最後まで必見です。
電気代が上がってきている今、エアコンの電気代って気になりますよね。
エアコンは家の中の電気代でかなり影響の大きいポイント、エアコンの使い方などを上手くすることで光熱費の節約にも繋がります。
知っておくべきエアコンの基本的な使い方、そしてエアコンの消費を抑えるためのコツを見ていきましょう。
それでは、まず今回の記事の要点からです。
・省エネ性が高いエアコンは「APF」の数値を見ればよく、目安として6以上がおすすめ
・(梅雨時)温度が低いとエアコンは、サーモオフといって一時停止状態になるため、湿度が高くて温度が低い時は除湿機を併用することが有効
・(夏場)室外機に直射日光が当たっていると、冷房効果が落ちるので、室外機を影に入れると効率がよくなる
・(冬場)夏より冬の方が一番エネルギーを使うため設定温度を低めにすることと、加湿器で湿度を高くキープすると体感温度を高めに感じやすい
・最も効果的な方法は、新築であれば性能の良い窓サッシにする、リフォームであれば内窓をつける(23年度は補助金チャンス)
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省エネのエアコンの目安はAPF
まず、家電量販店などでたくさん並んでいるエアコンを見ても、どれがいいのかすぐには分かりませんよね。
単純に価格が高いエアコンの方が性能はいいですが、どれくらいの差があるか見極めも難しいところです。
まずは省エネ性能の指標になる「APF」とは何か?について紹介をしていきます。
APFとは
APF(Annual Performance Factor)とは、一年を通して、ある一定の条件のもとにエアコンを使用した時の消費電力量1kWh当たりの冷房・暖房能力(kWh)を表示したものです。
「通年エネルギー消費効率」と呼ばれることもありますが、簡単に言い換えると、1の電気をどれだけ効率的に熱エネルギーに変換できるか?を表したものです。
例えばAPFが5のエアコンであれば、1の電気エネルギーを、5の熱エネルギーに変換できることになり、5倍の省エネ性がある、ということになります。
そのため、APFは数字が大きいほど省エネ性が高い、ということになります。
昨今のエアコンは性能も向上してきていますが、おおむねAPFが6以上のエアコンを選ぶと、高い省エネ性があると言えます。
COPとの違い
エアコンの性能を現す指標では、COPというものが少し前に使われていました。
COPは、ある一定の条件下での測定値になっており、APFの1年を通じた測定とは異なり瞬間的な測定になります。
昨今のエアコンのカタログでは、COPでの表記はかなり少なくなってきたため、APFを見て機種を選ぶと良いでしょう。
季節ごとの効果的なエアコンの節約方法
それでは、季節ごとのエアコンの効果的かつ具体的な節約方法をご紹介していきます。
(梅雨時)除湿機の併用
梅雨時期は、温度がそこまで高くなく、エアコンが全然動いている気がしない…、と思っている方も多いのではないでしょうか?
そう感じている方は、なかなか鋭い方!
エアコンで知っておくとよい1つ目のポイントは、エアコンは設定温度に到達すると一時停止する(サーモオフ)ということです。
エアコンは設定温度までいくと、一時停止をして室温に変化があると再起動、そして設定温度まで戻す…を繰り返して、室温をキープするようになっています。
ゆっくり運転し続けているわけではなく、運転・停止を繰り返しています。
そのため、中途半端な季節が梅雨時期です。
なんか暑くてジメジメするけど、温度はそこまで高くない…
こういった季節はエアコンが設定温度にすぐ到達して、停止している時間が長くなります。
エアコンが動いていないと除湿もできないので、ジメジメしたままとなります。
この状態でエアコンの設定温度を下げると肌寒くなったりするので、除湿機を併用することが最も効果的でしょう。(置き型の ” 水取り象さん ” 程度では焼き石に水)
人は温度だけでなく湿度からも温熱を感じており、湿度が上がると体感温度が上がります。
そのため、梅雨時期は除湿機を併用しながら冷房を使うとよいでしょう。
真夏は室外機を日陰に
エアコンは室外機で熱をつくる、熱を排出する、この基本動作をしています。
夏場に室外機自体が熱くなっていると、冷気を作り出す効率が悪くなってしまいます。
そのため、室外機自体に直射日光が当たらないようにするだけでも効果的です。
その効果は数%〜5%程度と言われていますが、「ないよりはあった方が良い」です。
ただ、この時に注意して欲しいポイントは、室外機の風路をふさがないことです。
室外機は前面のファンから風が出て、排熱をしています。
そのため、すぐ前に物が置いてあると排熱した熱がこもって効率が悪くなります。
シェードなどで日陰をつくる際には、室外機の目の前はできるだけ何も置いていない状態にしておきましょう。
冬は加湿器との併用で体感温度を上げる
少し前の梅雨時期のジメジメしている時の話を思い出してください。
温度がそこまで高くなくても、湿度が高いと体感温度が高くなりましたよね。
冬はこの反対で、湿度が低いです。
冬は、当然外の空気の温度が低いですが、空気は温度が低いと空気中に含むことができる水分量が少なくなります。
元々、水分を全然含んでいない空気が室内に入ってきて、暖房器具で温度を上げると、相対湿度がさらに下がります(温度をそのまま上げると、さらに乾燥する)
このメカニズムの細かいウンチクは割愛しますが、結果だけお伝えすると加湿器で部屋の湿度を上げると良いです。
同じ温度でも、湿度が高い方が体感温度を高く感じるため、エアコンの設定温度を低く抑えても快適に過ごしやすくなります。(湿度と体感温度の関係性は、ミスナールの法則といいます)
使用状況にもよりますが、加湿器を使うプラスの電力より、エアコンを2℃程度温度を下げるマイナスの電力の方が大きくなると想定されるため、快適性だけでなく省エネにも効果的である可能性があります。
使っている機器、お住まいの地域、建物の断熱性能などによって左右されるため断定できませんが、暖房は年間消費エネルギーの中でもトップです。
これは夏と冬では温度差が異なり、作り出すエネルギーが一般的には冬のほうが大きいからです。
高効率なエアコンに買い換える、加湿器を併用するといったことで、冬の暖房費を圧縮することも試してみる価値はあるでしょう。
内窓など、窓まわりがカギ
ここまではエアコンなど家電機器で対策する方法をお伝えしました。
しかし昔の家では、正直どれだけ効率を改善しても限界があります。
そういった場合の対策をお伝えしていきます。
内窓リフォームでエアコンの効きが段違い!
昨今、リフォーム業界で一大ブームになっている「内窓リフォーム」。
ブームになっている理由は、その「効果の大きさ」と「補助金」の2つです。
内窓にすることで、上図のように同じ設定温度にしていても窓や壁の温度が違ってくるため、そこから発する輻射熱の影響で体感温度も大きく変わってきます。
特に今お住まいの家が、シングルガラス(ガラス1枚)のアルミサッシの方であれば、かなり効果を発揮します。
また、パリ協定によって日本でも相当なCO2削減が求められており、その取り組みの一環として政府は内窓による省エネを強力にプッシュしています。
23年度であれば、こどもエコすまい支援事業として、内窓リフォームを含む工事に最大で45万円の補助金が出ます。(※各種条件により最大額は30万円・45万円・60万円に変動)
内窓工事費用のかなりの割合を、こちらの補助金でカバーすることができるため、23年3月末の補助金制度の詳細発表から、早いペースで補助金がなくなっています。(5月2日時点では30%・補助金は先着順)
エアコンを変えても効きがよくないな…、もしくは築20年以上経っているシングルガラスのご家庭は、この機会に内窓リフォームを検討してみてもよいでしょう。
新築はZEHレベルであれば最低ラインはクリア
一方、新築の場合は昨今、省エネ基準の全体レベルも上がってきており、ZEHレベルの断熱性能を標準グレードにする会社も増えてきました。
結論から申し上げると、石川県 / 富山県 / 福井県の一般的なまちなかエリア(山間部除く)では、ZEHレベルの断熱性能があれば、エアコンの効きに対して不安になる必要はありません。
もちろん、HEAT20のG2〜G3グレードの断熱性能があれば、さらにエアコンの効きがよく快適に過ごすことができるため、その人の求めるレベルによって断熱性能を選ぶと良いでしょう。
また、リフォームでは補助金が出る旨の解説をしましたが、新築でも同様に補助金制度が利用できます。
23年度はZEHレベルの断熱性能・省エネ性がある新築に、100万円(こどもエコすまい支援事業)、または55万円・100万円(ZEH・ZEH+)がもらえる制度があります。
補助金をうまく活用して快適な家づくりを実現しましょう。
まとめ
エアコンは、夏・冬には電気代を多く使う家電であるが故に、対策をすること・省エネ性能が高い製品を使うことで節約効果が高くなります。
石川県では、23年度に県独自の補助金制度もあり、高性能なエアコンが対象になっています。
このような補助金制度なども活用して、オトクに高性能エアコン・断熱リフォームなどをしてみてはいかがでしょうか。