住宅展示場に訪問する前にしておくべきことや、訪れた際に聞くべきポイントを解説!
今回は石川県の工務店であるフジタさんに取材協力いただき、展示場やモデルハウスの見学で失敗しないためのコツをお伝えしていきます。モデルハウスへ行く前に必読の内容です。
はじめまして、住宅コンサルタントの別所です。
私はハウスメーカー・住宅設備メーカーの経験を通じて、住宅建築業界に広く深く、約15年たずさわっています。
仕事柄、100社を超える住宅会社様や卸問屋へ、住宅業界・国策トレンド・補助金活用など幅広い提案を行っています。
建築自体・業界の専門的な内容まで網羅した上で、一部の住宅会社様への経営アドバイス・広告のお手伝いなど、各種コンサルティングも行っている者です(保有資格:ファイナンシャルプランナー2級)。
このような経歴を持っているため、よく一般の方から「展示場にたくさん行ったけど、結局どこの会社がいいか分からなかった…」という相談をいただきます。
今回は私の幅広い経験から、一般の方でもわかる「住宅展示場・モデルハウスの見学で失敗しないためのポイント(前編)」をお伝えしていきます。
住宅会社を選び始めた、モデルハウスの見学を考えている、そういった方にピッタリの内容です。
それでは早速、モデルハウス見学でよくある失敗例3つをみていきましょう。
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モデルハウス(展示場)見学の「失敗あるある」
モデルハウスの仕様=将来のマイホームではない
総合展示場のモデルハウスは50坪以上かつ、豪華仕様になっていることが多く、普段使っていない設備や材料を使って建てている会社もあります。
中には、展示場だけ設計事務所へ意匠設計(デザインや間取り)を外注している会社も存在するぐらいです。
このため、実は「見ても参考にならない」展示場もあり、結局は「営業マンにヒアリングされる場所」となっているケースが多い実態があります。
見学へ行く目的が定まっていない
訪れる目的をちゃんと決めずに、「なんとなく」で立ち寄られる方が多い印象です。
ホームページやインスタグラムで下調べはしているにしても、雰囲気だけ見に行ったという方も少なくないでしょう。
雰囲気を見ることも大事ですが、目的が決まっていないと最終的に「印象のいい営業マンがいた会社」で決めてしまう可能性も高くなってきます。
1日に複数社をハシゴしてヘトヘト
「とりあえずたくさん回ろう」と、気合を入れて1日で何社も見学すると、ほとんど覚えていない、という事態もよく聞きます。
特にお子さんも一緒に1日まわれば、家族全員グッタリですよね。
実は、私も潜入調査で1日で何件もまわることがあり、グッタリする気持ちはよくわかります。
それでは、これらの3つの失敗をふまえ、「結局、疲れただけ」にならないためのコツを紹介します。
モデルハウス見学はこうやって失敗を避けるべし
まず、昨今は予約制の会社が多いため、あらかじめ予約していきましょう。
こちらの記事でも、住宅展示場やモデルハウス見学について解説しています!
見学前のチェックリストもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
まちかど展示場や完成見学会を活用
気になる会社があったら、まちかどのリアルサイズのモデルハウスや、完成見学会を活用すると良いでしょう。
そして、まちかどモデルハウスの見るべきポイントは、この2つ!
・モデルハウスや完成現場の「実際の建築費用」
・「モデルハウス仕様」にしている箇所はどこか
まちかど展示場の場合、一定期間商談に活用した後に販売されたり、実際のお施主様の家を一定期間借りているケースがあります。
このような場合、実際の建築費用を聞くことで、おおよそ自分たちが想定しているコストとの乖離がないか?を推し測ることができます。
商談が進んで結局コスト的に建てられない、という事態をあらかじめ防ぎます。
また、注文住宅を扱う会社のモデルハウスであれば、「モデルハウス仕様」にしている箇所を聞いてみましょう。
営業マンが提示してきた内容以外は、よく使っている仕様ということが分かります。
このときに、仕様の選択肢で縛りがあるかないか?も確認しておくとよいでしょう。
聞きたい内容もしくは目的を明確にしておく
家の建て方を一から教えてほしいのか?
土地も一緒に探して、間取りまでつくってほしいのか?
会社の得意分野やコンセプトを知りたいのか?
訪問した際に、まず「自分たちが聞きたいこと」を営業マンへ伝えましょう。
これにより、短時間で要件を済ますことができるだけでなく、伝えた主旨に沿った回答が返ってこない ” イマイチ ” な営業マンをふるいにかけることもできます。
また、住宅会社の営業の立場から見ても、お客様の来場目的がわかることで、目的に沿った話しがしやすいという側面もあります。
これで無駄な話を聞いている時間や、疲労感を減らせるでしょう。
そして訪問する会社は1日1社とし、焦らず余裕を持って見学にいくと良いです。
失敗しないポイントを知った上でモデルハウス見学へ
失敗しないポイントを抑えたところで、私といっしょにモデルハウス見学を疑似体験してみましょう。
まちかどモデルの見学を予約
大きい総合展示場ではなく、リアルサイズのモデルハウスが見学できるフジタさんへ取材を依頼しました。
フジタさんでは、実際に一定期間モデルハウスとして展示した後売却されているとのことで、モデルハウス=実際に購入できる家となります。
そのため、「モデルハウス」と「通常建てている家」との乖離が少ないフジタさんを選びました。
見学に来た目的を最初に営業マンへ伝達
失敗の回避方法でお伝えしたポイントを早速活用していきます。
今日はフジタさんの特徴を知りたく、予約しました。フジタさんの特徴は何ですか?
フジタの主な特徴はこの3つです。
・細心設計へのこだわり
・最初から専属設計士が同席し、プランニングから終了まで担当(間取りも設計士が担当)
・デザインだけでなく、住みやすさ(家事動線、収納など)にも配慮している
(言ったことに対して的確に返答する営業マンだな…)
(展示場 ≠ 購入する家でない失敗を踏まえ)すてきなモデルハウスですが、モデル用として作り込んでいるポイントはありますか?
モデルだから変えている、という箇所はありません。
建売のような雰囲気は一切ないですし、本当ですか?
はい。こちらのモデルハウスも一定期間展示後に売却予定であり、モデルハウス用に、あえて追加している箇所はありませんね。
また、標準仕様のような縛りは当社にはなく、自由に選べることも特徴です。
そして「自由に」と言っても、設計士が打合せに同席してプロの視点でアテンドするため、ごちゃごちゃなコーディネートにもなりません。
最近、インスタを見て「これにしたい」「あれにしたい」というお客様も増えていると聞きます。
お客様の意向は尊重しつつ、我々もプロとしての引出しから、より良いものを提案したり、おすすめできないモノやコーディネートはお伝えしております。
建具に枠を回さないスッキリした納まりや、笠木1つとっても空間をスッキリ魅せる工夫がされていますが、これもフジタさんではよくやっている仕様ですか?
はい。ここもフジタの細心設計のこだわりです。細部までキレイに仕上げる職人さんは大変ですけどね(笑)
え!モデルハウス用にやっていると思いました…
これも自社の設計士で普段からこだわっている部分です。
現場が終わるごとに振り返りを社内で共有することで、ブラッシュアップしていきます。
さらに社長自ら、デザイン性の高い設備や建材などを選んだり、細部へのこだわりには自信があります。
すごいですね。私も数多くの会社を知っていますが、ここまで細部までこだわっている会社は初めてです。フジタさんの特徴が十分すぎる程わかりました…
最初に、営業マンの I さんに「フジタさんの特徴を聞きたい」と伝えたことで、端的に要件を伺うことができました。
I さんも、来場される目的をハッキリ言ってもらうと、案内が的確にしやすいですね、とおっしゃっていました。
注文住宅での商談はお互いの ” 探り合い ” でもありますが、あまりにも手の内や要望を隠していると、時間が無駄になったりすることもあるので、端的に自分たちの要望を伝える準備も大事なポイントと言えます。
モデルハウス見学で失敗しないためのポイント ”まとめ”
それでは、私の行動を今一度振り返ってみましょう。
① まちかど展示場を予約・訪問した
② 最初に目的を伝えて、短時間で聞きたい内容をしっかり聞くことができた
③ モデルハウスも実際に販売される家であることが確認でき、モデルハウス=実際に建つ家、という確認ができた
この3点を、モデルハウス見学で確認することができました。
つづいては、住宅業界のプロの視点から、住宅の性能や会社の姿勢など、商談が進んだ時に確認すべきポイントを後編で解説していきます!
なお、今回取材の協力をいただいたフジタさんのモデルハウスはこちらから予約が可能です。
▼後編はこちら▼
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