電気代が高い、と感じている方も多いのではないでしょうか。
ガス併用やオール電化など、それぞれの電気代の成り立ちを知ることで、節約のポイントが見えてきます。
また消費電力の高い家電機器はなにか?リフォームも兼ねて節約するコツを紹介します!
最近、光熱費が上がってきた…と悩んでいる方も少なくないですよね。
今回は、契約メニュー(ガス併用?オール電化?)別に、電気代の仕組みや節約ポイントをお伝えしていきます。
電気代の仕組みを解説しながら、どこをどう節約したらいいのか、をお伝えしていきます。
節電対策をやってても、なんか効果が出ないな…と悩んでいる方におすすめの内容です。
それでは、まず本記事の要点をみていきましょう。
・電気代高騰の原因は「燃料調整費の値上がり」に加えて、23年4月以降は「価格改定による値上げ」
・ガス併用住宅で使っている電力契約「従量電灯」は、使えば使うほど高い単価になっていく
・オール電化では、昼間に使った電気は割高。昼間に在宅が多いご家庭は要注意!
・電気代が高い機器は「熱を作り出す機器」であり、エアコンや給湯器を最新のモノに買い替えることで、光熱費をグッと抑えることが可能
・「消費電力が高い」+「使用時間の長い」、家電機器の使用を見直すと効果的
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電気代の急上昇の理由は燃料調整費と上限額見直し
北陸電力は、全国でも電気代が安い電力会社ではありますが、そんな北陸電力でも昨今のエネルギー価格上昇から、発電コストが急上昇しており、電気代に転嫁しないといけない状態になっています。
その主な原因は「燃料調整費」と呼ばれる単価に上乗せされるもので、わかりやすく言い換えると「燃油サーチャージ」です。
飛行機の燃料が高いときは、航空券に追加される燃油サーチャージですが、光熱費も同じようにエネルギー価格によってマイナスにもプラスにもなります。
世界的なインフレやロシアのウクライナ侵攻により、原油などの価格が上がってきていることから、発電にかかるコストも上がっているため、毎月見直される燃料調整費が上がっています。
さらに23年4月から大幅な値上げをする発表もありましたが、これは正確にお伝えすると燃料調整費の「上限」が変わったことで、今まで北陸電力が負担していた分を消費者側に転嫁する、というものです。
北陸に限った話では無く、全世界的な影響(エネルギー価格上昇・インフレ・原子力依存の低下)を受けての状態になるため、上昇傾向はしばらく続くものと予想されています。
値上げ幅は自由料金と規制料金で違う
ニュースなどでは「北陸電力45%値上げ!」という報道になっていますが、これは規制料金と呼ばれる契約のみです。
規制料金とは、簡単に言えば北陸電力で従量電灯を契約している方、すなわちガス併用のもっとも一般的なメニューで契約している方が対象になります。
北陸電力のオール電化向けプランや、北陸電力以外の会社で電力契約している方は自由料金となり、おおよそ10%程度の値上げになる見込みです。
いずれも、電気の使用状況に応じて請求される電力料金のもとになる「電力単価」と、燃料調整費の「単価」が値上がりします。
このように、まずご自身が契約しているメニューがどんなもの?を知っておくことはも大事です。
契約メニュー別の節約に役立つポイント
それでは、このような上昇傾向の中で、光熱費を抑制しようと思うとどうしたらいいの?という部分がもっとも気になるポイントです。
ガスを使っている方の一般的な電力メニューである従量電灯と、オール電化の方が主に使っている時間帯別契約に分けて解説していきます。
ガス併用住宅(従量電灯)
従量電灯とは、もっとも一般的な家庭用の電力契約で、使用量に応じて単価が上がっていく契約プランです。
主に、契約アンペア数に応じた「基本料金」と、電気を使った分だけ請求される「電力量料金」の2段階構成になっています。
そのため、ガスを併用されている方の場合、効果的な節約方法は「電気を使う ” 量 ” を抑えること」が大事です。
1ヶ月の使用「量」を300kWhまでにすると、比較的安い単価の電気のみを利用することになります。
また、23年4月の価格改定でも、120kWhまでの第1段階の値上げ幅は比較的抑えながら、多く使った分である300kWh以上の値上げ幅を大きくしています。
現在、特に値上がりが著しい燃料調整費も、使用した電力に一律で上乗せされる方式のため、いずれにしても電気を使う量を減らすことが一番の節約に直結します。
それでは、効果的に電気を使う「量」を減らすための方法を、「3. 電気代を抑えるための対策」で解説していきます。
オール電化契約(時間帯別契約)
つづいて、オール電化の方向けの電力プランである「くつろぎナイト12」を例に解説します。
これは夜の時間帯の単価を安くする一方、昼間の単価を比較的高額に設定している電力プランです。
従量電灯は使う量が多くなるにつれ単価が上がるのに対し、時間帯別契約は使用量に関係なく、電気を使う「時間帯」によって単価が異なります。
そのため、オール電化のご家庭の効果的な節約方法は「電気を使う ” 時間 ” をできるだけ20時以降にすること」が大事です。(※注意※ 契約メニューによって時間帯は異なります)
しかし、既にオール電化の家であれば、エコキュートを深夜帯に活用したり、深夜の安い電気を活用するクセが備わっている方も多いのではないでしょうか。
これ以上、深夜帯に電気をシフトできない方や、どうしても日中に在宅が多いご家庭は思い切って太陽光発電システムを導入してみると、大きな節約効果を生み出します。
太陽光発電は、単価の高い時間帯に電気を作り出すため、時間帯別契約との相乗効果が非常に高いアイテムです。
太陽光発電で発電した電気は、家で使っている電気に優先的に割り当てられ、「自家消費」することで、電力会社の電気を買わずにエネルギーの自給自足の生活ができます。
太陽光や蓄電池に関する詳しい内容は、ワタシゴトのこちらの記事からご覧ください。
それでは、具体的な節約方法を次の章で紹介していきます。
電気代を抑えるための対策
それでは、光熱費を抑えるための効果的な2つの手法を紹介していきます。
電気代が高い設備・家電を知る
いずれの電力メニューでも、電気代の仕組みから分かることは、「使用量」を減らすことで、光熱費の削減につながることです。
しかし、消費電力の低い機器の使用を制限しても効果は薄いです。
例えば「照明をこまめに消す」といったことは効果が低く、ほぼ意味がないと言っても過言ではありません。
LEDシーリング照明の場合、消費電力は約40Wで1時間あたり約2円程度。
これに対して、「消費電力が大きい機器」の代表格であるセラミックファンヒーターの消費電力は600~1200W(暖房)、1時間あたり約30円~40円以上になり、シーリング照明の15倍以上!
このように、まずは「消費電力の大きい機器」の使用時間を減らすことが効果としては大きいと言えます。
では、消費電力の大きい機器をみていきましょう。
機器 | 使用時間 | 消費電力の目安 |
---|---|---|
エアコン | 長い | 6畳用:冷房400W~暖房500W |
ホットカーペット | 長い | 3畳用:500W~700W |
セラミックファンヒーター | 長い | 600W~1200W |
IHクッキングヒーター | 短い | 約1400W~3000W(1ヵ所運転) |
ドライヤー | 短い | 1200W |
電子レンジ | 短い | 500W~800W |
ここでの共通点は、消費電力の大きい機器は、電気を「熱」に変換する機器であることです。
特に、ファンヒーターなどは熱を直接的に作り出しているため、より一層、消費電力が跳ね上がります。
エアコンや、エコキュートはヒートポンプという技術を活用しているため、直接的に温めるヒーター方式に比べて約7分の1程度のエネルギーで熱を作れるため効率は「比較的まし」と言えます。
ただ、電気代は「使用量」×「時間」で計算されるため、使用時間が長くなりがちなファンヒーターやエアコンは、電気代を押し上げる原因になります。
このように熱エネルギーに変える機器かつ、使用時間の長い機器から使い方を見直してみると節電効果は大きくなります。
電力プラン切り替え(オール電化にする)
次に、ガスを現在使っている方は電気とガスを合算して、光熱費を圧縮する方法です。
リフォームも伴うため、持ち家で給湯器・エアコンの使用が10年程度を超えている方は、この方法を検討すると効果が高いでしょう。
結論的には、ガス給湯器→エコキュートへの交換、そして時間帯別契約への切り替えが効果的です。
パナソニックの試算でも、ガス給湯器に比べてランニングコストが約6分の1と大幅な効果があり、老朽化による交換も検討している場合には、リフォーム会社などに相談してみるのもよいでしょう。
省エネリフォームをしてみる
また、省エネリフォームを行って「光熱費全体を圧縮する」という方法もあります。
特に内窓を設置するリフォームが効果的であり、補助金も使いやすい工事メニューです。
家の熱は、窓からの出入りが多く、夏は約74%、冬は約50%、熱の出入りが発生しています。
現在のお住まいの家が1枚ガラスのアルミサッシの場合、内窓を設置するリフォームをすることで、冷暖房の効きが一気によくなります。
「すきま風」と感じるコールドドラフト現象も少なくなることから、光熱費抑制効果とともに快適に過ごすことができるでしょう。
また、現在お使いの給湯器が「電気温水器」の場合、最新のエコキュートに変更するといったリフォームでも大幅に電気代を圧縮できますので、新築から10年以上経過している方は、リフォーム会社などに相談してもよいでしょう。
また、これから新築を考えている方には、高断熱住宅でどれくらいの光熱費削減になるの?という部分も気になると思いますので、こちらのワタシゴトの記事もご覧ください。
まとめ
このように、従量電灯契約と時間帯別契約の成り立ち、そして消費電力の高い機器を知ることによって、光熱費の削減効果の大きい方法を知ることができます。
まずは、ご自身の電気料金・ガス料金の明細の確認からはじめてみましょう。
ご家庭に「スマートメーター」が設置されていれば、賃貸でも持ち家でも自分の家に適したプランはなにか?という質問もできますので、実際に北陸電力・省エネ電化のご相談(個人のお客様向け)から質問してみるのもよいでしょう。
また、熱を使う機器を見直すことが効果的ではあるものの、温暖化の影響で冬は大雪、夏場も年々酷暑になってきているため、エアコン等を適切かつ我慢しない程度に使用することをおすすめします。
無理のない範囲でエアコンの使用時間を減らしたり、設定温度を見直したりといった工夫や、リフォームを行ってムリなく快適に過ごせる環境にすると効果的でしょう。