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高断熱住宅でどれだけ光熱費(電気代)を下げることができる?

高断熱住宅による効果の1つに、光熱費(電気代)を下げることがあります。
ただ、実際にいくらぐらいの効果があるの?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
断熱性能・UA値を高める目的や意図、そして性能向上にかかるイニシャルコストも考えて最適な部分を探ります。

 

今回は、住宅業界で一般的になりつつある「高断熱住宅」を掘り下げていきます。

高断熱住宅のメリットは、快適性と省エネの2つが代表的なポイントですが、今回は省エネ、特に昨今値上がりが激しい光熱費・電気代を下げる効果をみていきましょう。

断熱性能が良いと、実際どれくらい電気代に影響するの?
どれくらいの断熱性能が北陸の気候に合っているの?

こんな疑問をお持ちの方に、すこし専門性の高い内容になっていますが、わかりやすくお伝えしていきます。

 

「そもそもなんで電気代が高いの?理由をしっかり知りたい!」という方にはこちらの記事がオススメです!

 

それでは、まず冒頭に今回の記事の結論からです。

結論

・UA値を 0.1 W / ㎡・K 向上させても、削減できる光熱費見込みとしては約数百円 / 月
 (冷暖房を使用している期間のみで考えても)

・断熱性能を上げることによる、光熱費へのメリットは冷暖房のみ

・北陸地域でのおすすめの断熱性能は、断熱等級 G1~G2(UA値:0.3~0.5 )

・ご家族が新築で実現したい家のイメージに合致するかどうか?
 目的と合った設計を考えて断熱性能を設定しているのか?を確認しましょう

UA値が生み出す電気代への影響

 

UA値とは家の断熱性能を表すもので、家の内外との熱の出入りを平均値で表しています。

新築を検討している方の中では、展示場などを訪問した際に「わが社のUA値は…」と解説されたこともあるのではないでしょうか。

断熱性能を比較する際に、単純に数値の良し悪しで比べたくなりますが、実際に断熱性能(保温性)が電気代にどれくらいの影響があるの?という部分を掘り下げていきます。

まず結論からお伝えすると、断熱性能のグレードを1つ上げても削減できる光熱費(電気代)は月・数百円です。

断熱性能ごとの想定光熱費(オール電化)

断熱性能設計一次エネルギー量
※その他の設備含む
想定 月額電気代(オール電化)
0.6 W / ㎡・K(ZEH)71,224 MJ19,796 円
0.46 W / ㎡・K(G2)68,888 MJ19,201 円
0.36 W / ㎡・K67,409 MJ18,824 円
0.26 W / ㎡・K(G3)65,950 MJ18,452 円
※北陸電力・くつろぎナイト12(昼少なめ)・22年11月単価

 

試算条件

・「住宅・住戸の省エネルギー判定プログラム(独立行政法人建築研究所)」を用いて計算
・6地域・A3地域(石川県・金沢市を想定)
・床面積・外皮面積はデフォルト値を使用・日射取得率は1.4で固定
・冷暖房:エアコン 規定値 / 換気:3種換気 規定値・熱交換なし 
・給湯:エコキュート規定値 / 照明:全てLED / 太陽光発電なし

 

上記の試算は、金沢市でオール電化住宅を建てた場合の、想定される月額の電気代の一例です。

細かい諸条件の変動を今回は考慮せず、断熱性能であるUA値以外は固定して、その家で使われるエネルギーから電気代へ変換・試算しています。

結果を見ると、ZEHレベルである断熱等級 5から、1段階上のグレードである断熱等級 4(HEAT 20・G2 グレード)へ断熱性能を向上させても、削減できる電気代は 595 円 / 月。

冷暖房を使っている期間だけ(約 8 ヶ月)と考えても、月額での削減額は 1,000 円弱となります。

断熱性能が電気代に影響しにくい理由

 

以上のように断熱性能を向上させ続けても、電気代の削減額としては大幅な効果とは言いにくい単価になっています。

その理由を紹介していきます。

断熱性能は冷暖房のみ

UA値は、家の性能を推し測るうえで重要な指標の1つです。

その中で、UA値は「家の保温性」を示す値と解説しましたが、UA値が高い家は「保温性が高い家」となります。

家の中で家電を除いて、一般的にエネルギーを使う機器は以下の5つです。

項目UA値で左右される?
冷暖房
換気×(熱交換有の場合は冷暖房を左右する)
給湯×
照明×
太陽光発電コージェネ(エネファーム)×

 

通風(家の中に自然の風を取り入れる設計)がある場合も、エネルギー消費量に影響を及ぼしますが、今回はUA値に直接的に影響するかどうか、で考えてみましょう。

保温性が良い・悪いで影響を受ける部分は、冷房・暖房の使用が変わってくるだけで、照明や換気扇の消費電力などは理論上は変わりません。

このように断熱性能を上げることで、削減できる電気代が期待するほどではない大きな理由は、冷暖房費を下げることにしか寄与しないためです。

使う機器の性能差も考えよう

 

電気代を左右する部分はなにも、断熱性能だけではありません。

エアコンの機器能力によっても、年間で掛かる電気代は変わってきます。

それでは、断熱性能(UA値:0.6)などは固定した状態で、冷暖房機器の性能だけを変えて電気代がどれぐらい変わるのか?を見ていきましょう。

エアコン性能設計一次エネルギー量※その他の設備含む想定 月額電気代(オール電化)
エアコン・規定値(区分「は」)71,224 MJ19,796 円
エアコン・区分「い」69,535 MJ19,366 円

 

試算条件

・「住宅・住戸の省エネルギー判定プログラム(独立行政法人建築研究所)」を用いて計算
・6地域・A3地域(石川県・金沢市を想定)
・床面積・外皮面積はデフォルト値を使用
・UA値 0.6 W/㎡・K・日射取得率は1.4で固定
・冷暖房:エアコン 規定値 / 換気:3種換気 規定値・熱交換なし
・給湯:エコキュート規定値 / 照明:全てLED / 太陽光発電なし

 

エアコンの規定値を用いて計算すると、月額の電気代は19,796円です。

規定値とは、一般的なエアコンの「スタンダード機種」を指します。

一方、エアコンの区分「い」は、一般的なエアコンの中でも省エネ性能が高い「高級機種」を指します。

断熱性能を変えなくても、エアコンの性能を向上させるだけで、断熱性能のグレードを1つ上げるぐらいの電気代の削減効果があります。

もちろん、断熱性能との相乗効果が出てくるため、一定の断熱性能がある状態で、このような省エネ性能が高い機器を使うことをおすすめします。

北陸エリアのオススメの断熱性能はG1~G2レベル

 

ここまでは、UA値が電気代に及ぼす影響を解説してきました。

ただし、様々な理由から「一定以上の断熱性能は必要」ですが、一方で断熱性能の必要性や適正な効果を冷静に見る必要もある、ということを一緒に確認していきましょう。

もちろん、高い断熱性能を求めることは悪いことではありませんが、ご自身が家を建てる理由なども含めて冷静に判断することをおすすめします。

断熱性能を上げるとコストも上がる

 

注文住宅の場合、断熱性能はプラン・使用する断熱材や窓サッシのシリーズなどによって変動します。

住宅会社ごとに、基準とする断熱性能があるとは言え、プランによって 1邸 1邸異なるのが注文住宅の特徴でもあります。

その中で、ある程度断熱性能を選ぶことができますが、一般的な木造住宅の場合、断熱等級6(HEAT20・G2グレード)前後までは断熱材や窓の仕様・種類で向上させることが可能です。

しかし、G2グレードを超えて ” 超高断熱 ” にしようと思うと、さらに外張り(そとばり)断熱を加えたりと、一気に建築コストがあがってきます。

その住宅会社が仕入れや価格設定をどのようにしているか?によっても変わりますが、一般的にはG2グレードからG3グレードまで性能を上げようと思うと相当金額がアップします。

また、G2 / G3グレードの差を体感で感じることは難しく、コストとのバランスを考えるとG2グレード程度までが現実的であると言えます。

ご家族の中で、性能に徹底的にこだわりたいのか?それとも、ある程度の断熱性能で全体のコストを抑えたいのか?冷静に振り返ってみましょう。

 

北陸の気候状況を考える

北陸の気候を参考にみていきましょう。

 

 

国では、全国を8つの区分に分けていますが、北陸3県は4地域~6地域にあてはまります。

上図の北陸3県をみると、オレンジ色である5地域になっている地域が多く、石川・富山の山間部にいくと4地域と準寒冷地の扱いになってきます。

そのため、同じ北陸でもエリア差があり、ご希望のエリアの「省エネ地域区分」はしっかり確認しておきましょう。

 

 

そして上記は、地域ごとの目安となるUA値の表です。

北陸でも富山県黒部市や石川県白山市(旧白峰村など)といった山間部の地域は、金沢市などに比べて断熱性能を強化しておくとよいでしょう。

一方、金沢市などのエリアは、同じ太平洋側の6地域と比べて雪が降りやすい、という状況はありつつも、平均気温自体はそこまで差はありません。
※1991年~2020年の12月平均気温:名古屋 7.2℃ / 東京 7.7℃ / 金沢 6.8℃

そのため、各住宅会社からプラン設計をもらうときにも、以下のようなポイントが考えられているか?を確認しましょう。

 

プラン設計をもらうときのポイント

・地域に合った断熱性能なの?
・その断熱性能を最適と判断した理由は何?
・イニシャルコストとのバランスで一番最適な断熱性能はどこなの?

 

このあたりは少し難しい部分ではありますが、性能値を設定している理由を答えることができない会社は、「なりゆきで出している性能」であることも考えられます。

ご家族が新築で実現したい家のイメージに合致するかどうか?も含めて、目的と合った設計まで考えられているのかをしっかり見極めると良いでしょう。

 

「断熱性能にはうんとこだわりたい!」という方には、こちらの記事がオススメ。
失敗しがちな窓選びについて、詳しく解説しています。

 

まとめ

 

ここまで、断熱性能が光熱費(電気代)にどれくらいの影響があるか、を考察してきました。

結果的には大幅な影響があるわけではありませんが、高断熱を否定するものではありません。

一定以上の高断熱住宅は電気代の削減はもちろんですが、住んでいる温度差がなくなることで、快適性がアップして住み心地も向上します。

電気代が高騰している昨今、電気代を抑えていくために高断熱は必須の要件になっていますが、性能値にこだわりすぎて目的を失わないようにしましょう。

 

「北陸で地震に強い家づくりをしたい」という方には、こちらの記事がオススメ。
新築をこれから考える方に、ぜひ読んでいただきたい「お役立ち情報」として「家の耐震性」をわかりやすく解説しています。