注文住宅で実は窓は失敗しやすいポイントです。
しかし、何が失敗しやすいのか、そもそも失敗したことに気づいていない、ということが多くあります。窓の基本的なコトを知っているだけで、断熱性やデザインで失敗しにくくなります。そんなコツを確認します!
注文住宅において、窓の選び方で多くのことが変わってくることはご存知ですか?
窓というと少し意外な、地味なポイントな雰囲気がしますよね。
しかし、窓に注目してみると、住んでからの快適性や、家の内観・外観をカッコよくするために大事な要素であることがわかってきます。
これから新築を考えている方は、この記事で紹介する窓の「使い方」を知っておくとよいでしょう。
断熱効果の高い窓を選んで、”高断熱住宅”にしたとしたら、どのくらい電気代は下がるのかな?といった疑問をお持ちの方には、こちらの記事がオススメ。
それでは、まず今回の記事のポイントをお伝えします。
・窓の選び方が大事な理由は「断熱性能に大きく影響すること」と、「デザインにも大きく影響すること」の2つ
・家は窓から出入りする熱がもっとも多いため、窓の性能を見直すと家の快適性がアップする
・おすすめの窓は、YKK「APW330」以上、LIXIL「サーモスX」以上のタイプの窓
・引き違い窓より、縦(横)滑り窓・FIX窓を活用するとオシャレに仕上がりやすい
・窓枠を「一方枠納まり」にすると、モダンなデザインを創り出しやすい
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窓の選び方が大事な理由
注文住宅は、家の仕様を1つ1つ選ぶことができる点が魅力的ですよね。
その中で、窓も住宅会社のアドバイスを基にしながら、ご自身で選ぶことをおすすめします。
窓の選び方が大切な理由は「断熱性能に大きく影響すること」と、「デザインにも大きく影響すること」の2つです。
それでは、この2つの理由について解説していきます。
断熱性能に大きく影響
断熱性能は昨今の新築で、比較すべきポイントの1つになっており、高断熱住宅がトレンドです。
断熱と言うと、壁の中に綿みたいなものを詰め込む「断熱材」に目がいきがちですが、実はそういった断熱材より窓サッシにこだわった方が効果が高いです。
上図は、サッシメーカーのYKKAP株式会社の資料ですが、夏は外から入ってくる熱の74%が窓サッシから、そして冬は室内から逃げる熱の50%が窓サッシから、となっています。
冬に窓の付近にいると、なんとなく肌寒い空気が足元付近に感じることはありませんか?
これも、窓で冷やされた空気が ” すき間風 ” のようになっているからです。(専門用語ではコールドドラフトと言います)
どんな窓の種類があるの?
それでは、断熱を考えたときに、どんな窓のランクがあるのか?を見ていきましょう。
各社で若干の違いはあれど、「窓枠」と「ガラス」の材質・構造で性能が変わってきます。
このように、窓枠とガラスの枚数で、大きく分類されます。
ガラスの中が空気層なのか、それとも熱をより伝達しにくいアルゴンガス入りなのか、でも性能やコストが変わってきますが、まずはこの大枠を抑えておきましょう。
北陸での気候であれば、窓枠は両方とも樹脂製、ガラスは複層ガラス以上をおすすめします。
トリプルガラスであれば快適性はアップしますが、窓の重量が重くなることや、コストも一気に上がってくるため、コストとのバランスを見ながら選びましょう。
樹脂窓はボロボロにならないの?
さて、外側が樹脂だとボロボロになるのでは?と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
外に放置しているバケツや、洗濯バサミがすぐ壊れるイメージがあるとそう思いますよね。
しかし、結論から言えば大丈夫です。
このような樹脂窓に採用されている樹脂は、PVCと言って水道管などに使われている樹脂で紫外線で劣化しにくい素材になっています。
そのため、長期間日光にさらされるような環境である窓の外側でも、安心して長い期間使うことができます。
おすすめの窓
ここで、北陸地域において断熱を考えたときにおすすめの窓を紹介していきましょう。
サッシメーカーは日本では数社ありますが、有名どころの会社を紹介します。
・YKKAP株式会社:APW330 以上
・LIXIL株式会社:サーモスX以上(できれば樹脂窓EWがおすすめ)
以上のシリーズを採用すると、一般的な間取りであればZEH相当の断熱性を確保することができ、後悔の少ない家づくりになるでしょう。
デザイン性を向上させる窓は縦滑り窓・FIX窓
断熱性の話に続いて、デザインに関して知っておくとよいポイントの解説です。
窓というと、一般的な引き違い窓を想像しがちですが、全て引き違い窓にするのではなく、縦滑り窓や、FIX窓(フィックスまど)を組み合わせましょう。そうすることで、外観からも内観からもデザイン性の高い家に仕上がりやすくなります。
なお、必ずしも引き違い窓がダメという訳ではなく、適材適所が重要になってきます。
それでは、まず窓の種類からみていきましょう。
窓の種類はたくさんある
窓の種類は上図の8タイプ以外にも、まだまだたくさんあります。
全て紹介していると大変なので、代表的な窓の特徴を少し解説します。
◆引き違い窓
もっとも一般的な、左右の窓を開閉できる引き違い窓です。
特徴としては、コストが安くサイズのラインナップが豊富な一方、気密性が低いことがデメリットです。
ただし、出入りが必要な場所は使い勝手がよく、デザインと使い勝手の両方の側面から選びましょう。
何も気にしていないと、この引き違い窓を前提に、大きさなどを選ぶぐらいになってしまいますが、どうしてもデザイン上も「普通」になりやすい、という側面があります。
◆縦(横)滑り窓
縦滑り窓とは、ハンドルをくるくる回して開閉する方式の窓で、縦方向を軸にして開閉するため、縦滑り窓と言われています。
縦滑り窓の特徴としては、幅が狭いタイプであれば人が通過できないことから防犯性に優れていること、風の向きを考えて配置すれば効果的に家の中に風を取り入れることができる点です。
また気密性能も高く、断熱性能を高めたい方にとっても有効な窓である一方、コスト面では少し高くなります。
そして、横方向を軸とした横滑り窓もあります。
部屋の上部などに明り取りとして使われることも多いですが、このように細い窓はおしゃれなインテリアと相性が良いです。
◆FIX窓
開けることができない窓のことを、FIX窓と言います。
FIX窓の特徴は開閉しなくていい分、様々な形状(円形やアーチ形など)にすることができ、窓枠がないシャープな納めも可能となっています。
窓枠が目立つ窓が多いと、デザイン上も「普通」な感じが出て、シャープなデザインを作りにくくなりますが、FIX窓を上手く使うことで解決します。
ただし、開閉ができないため開閉しなくても良い箇所を選んで使うことが大事です。
窓枠が目立たないとカッコイイ?
窓枠、と一言にいっても2つの部位があります。
1つが窓ガラスを囲って支えているフレーム部分(サッシ・框とも言う)、そして内部の壁との納まり部分にある木製の窓枠部分(額縁とも言う)があります。
この2つを極力、目立たなくすることでスッキリした印象になります。
同じ間取りやインテリアでも、どことなくモダンな洗練されたような印象を創り出すことができるため、窓枠までこだわっている会社のデザイン性は高いと言えます。
そのため、サッシが目立ちやすい引き違い窓より、ガラス面を大きくとりやすいFIX窓や、内側にサッシがない縦滑り窓がデザイン性を高めやすくなります。
また、内側の窓サッシを覆っている枠を無くすことで、デザイン性の向上以外にコストダウンにもつながります。
ただし、工事の納まりが少し難しくなるため、元々慣れている会社の方がキレイに納めることができるでしょう。
まとめ
「窓」1つとっても、様々なポイントがあり、建築は奥が深い世界でもあります。
このような基本的なことをちょっと知っていると、新築を検討するときにトクなことも多くあります。
知らないと ” おまかせ ” で過ぎていきそうな「窓」ですが、今回は基本的なポイントを解説していきました。
既に建っている建売住宅を購入する場合は難しいですが、1から選べる注文住宅を選ぶ場合、注文住宅のメリットを最大限活かせるよう、ワタシゴト(イエノコト)の記事をぜひ参考になさってください。
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