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【地域おこし協力隊インタビュー/七尾市・能登島】能登島の食と自然、人の魅力をもっと/出島この美さん

石川県の七尾湾に浮かぶ人口2500人ほどが暮らす島「能登島」。

今回、能登島の地域おこし協力隊として活躍している出島 この美さんを取材させていただきました。

地域おこし協力隊に入ったきっかけや仕事のやりがい、また出島さんから見た能登島の魅力など、今年で任期3年目を迎えて今伝えたい想いをざっくばらんに語っていただきました。

七尾市(能登島)地域おこし協力隊 出島 この美さん

 

石川県七尾市出身。高校卒業後、東京の大学に進学。

飲食関係の仕事に約6年間就業する。その後、環境社会学を専攻するため大学院に入学。

2019年4月、故郷である能登島の地域おこし協力隊に着任。

能登島の食文化や自然の魅力を広めるべく、さまざまな活動にチャレンジしている。

大好きな故郷で新たな挑戦を

—–本日は、七尾市・能登島の地域おこし協力隊として活躍されている出島 この美さんにお話を伺います。
私、能登島には何度か遊びにきたことがあり、この美しい自然とのどかな雰囲気がとても好きで、今回の取材を楽しみにしておりました。よろしくお願いします。

早速ですが、出島さんって能登島ご出身なんですよね?地元に戻って、地域おこし協力隊になろうと思ったきっかけは何だったのですか?

 

出島 この美さん(以下、出島さん):もともと故郷である能登島が大好きだったので、いずれ能登島に帰ってこようとは思っていました。けれど、いざ東京で仕事し始めるとなかなか機会がなくて……。

そんな中、大学院に入って環境のことや地域社会のことを学んでいるうちに、やっぱり都会で暮らすよりも田舎(地元)で暮らすほうが、自分らしく生きていけるのではないかと感じたんです。
私、都会の人混みもあまり得意じゃないほうだったので。

 

—–あ~分かります。毎朝の満員電車、今思うとよく我慢して乗っていたな~って(笑)大学院で学んだことが、今の活動にも影響されているのですね。地域おこし協力隊の募集は、どんな風に見つけられたのですか?

 

出島さん:能登島のまちづくり協議会に知り合いの方が所属されていて、たまたま募集されていることを教えていただき、思い切って応募してみたという流れです。着任したのが2019年4月で、今年の春から隊員3期目となります。

 

—–なるほど。ということは、出島さんは地域おこし協力隊として2年間さまざまな活動をされてきたベテランなのですね。ちなみに、地域おこし協力隊の方々って、普段どんな活動をされているのですか?

 

出島さん:能登島の地域おこし協力隊は、能登島の食文化をPRすることがミッションとされているので、隊員1年目は能登島の食材を使ったフードやスイーツ、ドリンクなどを集めたマルシェやワークショップを企画・開催しました。

しかし2年目(2020年)は、コロナウイルス感染の影響でマルシェなどのイベントがなかなか開催できなくなってしまい……。その代わり、能登島の特産品を詰め合わせた商品を企画してオンラインで販売するなど、新しい取り組みにもチャレンジすることができました。

 

 

—–昨年は大きなイベントも開催できず、国内外の旅行も制限されるなど大変な年でしたよね。
ただ、そんな状況にも負けずにどんどん新しいやり方を見つけて活動されているのが、本当に素晴らしいなと感じます。能登島の特産品の詰め合わせ、私も欲しい!(笑)おうちにいながら能登島に行ったつもりになれるなんて最高~!

 

出島さん:コロナの影響でイベントはほとんど中止になりましたが、逆にイベントがある例年だとなかなか手が出せなかった事業にも腰を据えてじっくり向き合えました。その経験はこれからの活動にもきっと役立っていくと思うので、ある意味スキルを磨く年になったのかなと感じています。

 

出島さん:あと、今年1月にオンラインでの婚活イベントも開催しました。4対4の少人数で行い、能登島はもちろん七尾市、金沢市から参加の男女が参加してくれました。
当日は結構盛り上がって、連絡先の交換もお互いにされているようでしたね。その後、進展があったらいいなぁ。

 

—–え~婚活イベントですか!?とても楽しそう!!私も参加したかった~(笑)オンラインでの婚活イベントなんてイマドキですね。地域おこし協力隊の活動は、隊員のみなさんが全て企画して行うことが多いんですか?

 

出島さん:地域おこし協力隊の活動には、各地域ごとに大抵ミッションが与えられていることが多いですね。ミッションが全くないフリーミッションの地域もあるらしいですが。

ミッションを解決する活動を行ったり、まちづくり協議会や地域のお手伝いを経験する中で、徐々に自分の成長に繋がる活動を見つけて広げていく……という感じの方が多いかもしれませんね。

 

変わらない景色と、変わる暮らしと

—–出島さんはいわゆるUターン移住者になりますが、能登島を出る前と戻ってきた今、能登島に対するイメージって変わりましたか?

 

出島さん:だいぶ変わりましたね。能登島の景観にしても、昔はやっぱり当たり前の景色として何とも思わなかったです。でも、大人になって能登島に戻ってくると「あ~景色がキレイだな」って改めて感じたり。
あと、近所のおじちゃんが、実はとても偉い方だったと判明したり(笑)

 

—–大人になって地元に戻ってくると「実はそうだったの!?」という驚きも多いですよね(笑)地元の魅力を再発見できたり。私もUターン移住者なので、やっぱり昔と今で地元の考え方や感じ方が大きく変わりましたね。

 

出島さん:ここ最近は、能登島にも移住者が増えていて、外からの影響がいい感じに入ってきてくれているような気がしますね。かつては能登島と能登半島を結ぶ橋もなかったので、能登島に移住してくる人ってほとんどいなかったんですよね。

 

—–そうなんですね。確かに橋がないと、なかなか行き来するのは難しいですね。今は「能登島大橋」や「ツインブリッジのと」があるので気軽に行き来ができますし、住みやすさも向上しているんですね。

 

何気ない日常こそ、能登島の魅力に

—–能登島を訪れる方々に「ぜひここは見てほしい」という魅力を教えて下さい。

 

出島さん:やっぱり能登島を訪れたら、民宿に泊まって新鮮な美味しい料理を食べてほしいなって思います。能登島には民宿がたくさんあるのですが、それぞれ異なる特徴があるんです。
ここは干物が美味しいとか、お米が絶品だとか、民宿によっていろんな魅力があってとても面白いんですよ。

 

—–面白いですね!いろんな民宿を泊まりたくなっちゃいます(笑)

 

出島さん:能登島の民宿は、どの民宿も女将さんがとても面白くて接客が素晴らしいんです。だから女将さんに会いたくて泊まりに来る常連客も多いんですよ。
それに、料理も最高です。夕食に提供する魚も、自分達で漁に出て魚を獲ってくる民宿もあれば、漁師さんのお手伝いをして新鮮な魚を仕入れてくる民宿もあって。安く仕入れることができる分、お手頃な価格でボリュームのある美味しい料理を提供してくれるんです。

 

—–ますます泊まりたい(笑)美味しい料理、ぜひ食べてみたいですね。新鮮で美味しい魚料理をたくさん堪能できるなんて贅沢すぎる!

 

出島さん:能登島の民宿は、料理のレベルがとても高いと思いますね。ちょっと面白いのが、能登島の民宿の方々って、なぜか宿泊客がお腹いっぱいにならないと残念がるんですよ(笑)

なんとか満腹になってもらおうと、魚は魚でも刺し身から焼き魚、煮魚など……ありとあらゆる魚料理のフルコースでおもてなしされたり。そういうところが、能登島らしいなって(笑)

 

—–宿泊客を喜ばせようとする心意気が素敵ですね。能登島の人達のあったかさが伝わってきます。

 

出島さん:だから能登島を訪れたら、水族館や道の駅だけ立ち寄るのではなく、ゆっくり民宿に泊まって夜は美味しい料理を堪能してほしいなって思います。

海沿いを散歩するのもオススメなんです。漁港が近い民宿だったら、早朝になると漁師さん達が船で戻ってくるところを眺めることもできますよ。

 

—–それは一度見てみたい!早朝の活気ある漁港の雰囲気を味わえるって、なかなか貴重ですよね。私もそうですが、多くの方は「THE観光地」とされるスポットばかりに目がいってしまいがち。
海沿いをゆっくりお散歩したり、地域の人を交流したり、何気ないところにこそその地域の魅力が溢れているのかもしれませんね。

 

 

出島さん:あと、観光客にはあまり知られていないのですが、「能登島自然の里ながさき」というところが面白くて。
能登島の東の海岸沿いにある長崎地区で、生物多様性を守るための調査や保全活動、子ども達の野外活動などを行っているのですが、源内さんという方がお一人で海辺に小屋を建てて、そこで塩を作られているんです。

昔は能登島でも塩を作っていたらしく、塩の産業をまた復活させたいと立ち上がったのが源内さんだったそうで。今では、道の駅や能登島の飲食店に塩を卸されていて、とても好評なんです。
そこの海辺はしっかり整備されているので、ゆっくり散歩したりお弁当を食べたり自然を満喫したい方にオススメですよ。

 

—–能登島の塩産業が、また復活して本当に良かったですね!源内さんが手間暇かけて作られている能登島の塩、今度道の駅で見つけたら絶対ゲットします。自然の里ながさきも、夏場は海の生物を探したりできそう!ぜひ子連れで訪れてみたいですね。

 

出島さん:最近では、塩づくりなどを体験できるプログラムも少しずつ開催しているみたいです。能登島の生態系にも大変詳しい方なので、能登島の自然や生き物について分からないことがあれば聞いてみるといいかもしれませんね。

 

この経験を、地域と人を繋ぐ架け橋として

—–地域おこし協力隊として、今後どんなことに挑戦したいですか?

 

出島さん:今年は、能登島の食材を生かした加工品を販売している「ねねの会」という団体をお手伝いしながら、能登島の食文化を広めるワークショップを開催したいと考えています。

あと、能登島観光協会の方とも協力しながら、「まち歩きマップ」も作りたいなと検討中です。これまで観光名所を巡るマップはあったんですが、意外と一つ一つをじっくり歩いて巡る観光マップというのがなかったので、挑戦してみたいなと思っています。

 

 

—–まち歩きマップ、ナイスアイディアですね!改めて地域おこし協力隊の活動って、その地域全体を巻き込んで人も地域も元気にしているんだなと感じました。

隊員のみなさんが、積極的に地域の方々へ働きかけているからこそ、そこに暮らす方々もイキイキと新しいことに挑戦できるのかもしれませんね。最後に、地域おこし協力隊のやりがいを教えて下さい。

 

出島さん:たくさんの人と繋がることができることかな。やっぱりこの仕事をしていなかったら出会えなかった方々ってたくさんいると思うので。

特に能登島は地元なので、かつての同級生たちにマルシェを手伝ってもらったり、一緒にイベントを実施したり……こんな風に繋がって仕事できることがとても楽しいですね。

 

—–なるほど。なかなか出会えない方々と繋がることで、良い刺激もたくさんもらえそう!地域と地域に暮らす方々を結びつける役割も、地域おこし協力隊の出島さんが担っているんですね。

 

出島さん:今は地域おこし協力隊として、地域のみなさんと一緒にさまざまな活動にチャレンジしていますが、卒業後はこの経験を活かし腰を据えて一つのことに集中して取り組んでいきたいです。

私にとってこの3年間は、いろんな情報を集めて、経験をして、スキルを磨いていくための3年間だと思っているので、出来る限りどんどんいろんな場でたくさんの人と繋がっていけたらいいなと思います。

 

—–出島さんが地域おこし協力隊に着任した1年目と2年目では、世の中の状況はガラリと変化しました。そんな中でも試行錯誤をしながら、能登島の食文化や自然、人々の暮らしの魅力を発信し続けている出島さん。たくさんの繋がりや学び、経験を得て卒業後はさらに活躍の場を増やして能登島を盛り上げていってくれるだろうと感じました。

能登島のこれからがますます楽しみですね。本日はありがとうございました。

 

現在、七尾市では以下の地域で地域おこし協力隊を募集しております。

 

《募集地区および募集人数》

・矢田郷(やたごう)地区 1人

・田鶴浜(たつるはま)地区 1人

・高階(たかしな)地区 1人

 

《募集期間》令和3年3月16日(火)~3月31日(水)

《活動期間》令和3年4月以降の着任日から最大3年間

詳しくはサイトにてご確認ください。 七尾市