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【インタビュー】経験してきたこと全てが宝物/アンカーウーマン金澤 髙木 眞澄さん(後編)

現在、個人事務所「アンカーウーマン金澤」を立ち上げ、野々市市にあるシェアオフィス「1の1NONOICHI」を拠点に、幅広く活躍されている髙木 眞澄さん。

後編では、たたき上げで地位を築き上げたがむしゃら営業時代から、これからの働き方や夢についてまで、お話を伺いました。

 

前編はこちら

 

がむしゃら営業時代

——–その派遣会社では、やりがいも感じていましたか?

 

髙木:実はやりがいの部分で、葛藤があって。根が負けず嫌いだから頑張って売り上げを積み上げて、他の人がやらないことにもチャレンジしていったんですが、受け入れられない部分や評価に繋がらない部分も多くあって・・・。

だんだんそのぬるま湯が物足りなくなっていったんです。それで、ちょうど入社10年目の50歳になったときに、辞めることにしました。

 

——–やりがいを感じられないという葛藤もあったんですね。そのあと、どのような会社に転職活動されたんですか?

 

髙木:50歳を超えての転職は、なかなか厳しくて。
ハローワークにも行きましたが、受付の方が提案してくれた求人票が派遣会社の営業ばっかりで(笑)でも、改めて「私が活かせるのは、これか!」と感じました。

次に転職することに決めた会社は、ゆるく大きな組織だった前の会社とは全くの正反対で。売り上げ至上主義のベタな地域密着型。残業も当たり前で、かかってくる電話は1本も逃すなっていう会社でした。

だから今まで培ってきたことで通用する部分は、ほんの半分くらい。また知識も経験も、新しく積み上げていかなければならない環境でした。

 

——–まさに、白と黒って感じですね。派遣会社という同じ業界でも全く違うんですね。経歴も性別も関係ないという感じだったんですか?

 

髙木:そうですね。いい意味でも悪い意味でも、男女平等で。
そんな環境で半年ほど必死に頑張って、他の男性社員と肩を並べるようになった頃、ようやく私の意見にも耳を傾けてもらえるようになりました。

結構きつかったですが、鍛えられたなと思います。
どのように売り上げを上げて、発言権を得て、何をどうしていくのかを飾り気なしに突き付けられた感じ。

だから前の会社での10年よりも、泥臭い仕事をしていた2社目の会社の方が思い出はいっぱいありますね。ただ前の会社でも、たくさんのことを教えてもらったし育ててもらいました。

自分のペースでゆるやかに、積み上げていくことができた10年だったと感じています。

 

——–振り返ると、正反対の会社に勤めたことも、今につながる良い経験だったんですね。

 

髙木:そうそう。私もいろいろ経験したことで、今にすごく活きています。
経験したことで不要なことはないし、その経験をいかに味方につけるかだと思ってます。

 

場所を選ばない働き方を

——–今一番楽しいことは何ですか?

 

髙木:業務マネージャーの仕事で言えば、いい社風とかいいチームを作り上げていくために、自分のチカラで何ができるんだろうと考えるのが今とても面白くて。

人材派遣会社での仕事だと、セミナーやワークショップも企画して実施するんですけど、参加者がイキイキと帰って行く姿を見るのが嬉しくて仕方ないんです。

 

——–いろんな場面での楽しみがあるんですね。来年、再来年と仕事の幅はもっと広がっていきそうですが、髙木さんのこれからの夢はなんですか?

 

髙木:昨年は自分にとって想定外のことが多かったので、今年も想定外のことが多いといいなと思ってます。
あと、ものを書きたいなって思ってて。書くことは好きなので、ものを書く時間をもっと増やしていけたらいいな。
それに、もっといろんな場所に行きたいと思います。

去年は、岩手県での仕事をさせて頂いたり、東京へ行く機会も多かったので、今年は更に行動の枠を外して、全国どこにいてもできる仕事をしていきたいと思っています。

 

——–最近は、リモートで仕事される方も増えましたしね。いろんな場所へ行くことで、新たに感じることも多いんでしょうね。石川県の良さとか。

 

髙木:そうそう、外に行くことで初めて分かる地元の良さもありますしね。
わざわざ都会にいなくても、どこにいてもできる働き方が理想だし。少しづつ、この石川県も地元の人が働きやすい県になればいいなと思います。

それを見て、県外の人達も「石川県に行ってみよう」と思う人が増えればいいなと。

今の世の中、いろんな働き方をする人が既に全国各地にいっぱいいるので、どんどん新しい波が入り込んでくるのを、石川県や地方が受け入れられるかが重要だなと思います。

 

——–そうですよね。自由にどの場所でもできる働き方が、もっと地方の企業にも浸透していけば、もっと働きやすくなるんじゃないかなと思います。髙木さんは、ある意味お手本のような働き方ですよね。

 

髙木:そうですね。それに、いろんな場所に行くことで、また違う視点で既存の仕事にも取り組んでいけると思いますし。これから先、何が起こるか分かりませんが、それも楽しみです(笑)

 

どの経験も無駄ではない

——–これから働く女性に向けて、アドバイスをいただけますか?

 

髙木:まずは、一人で抱え込まないこと。あと、働くときには、時間や待遇などそれぞれ希望することがあると思うんですが、もっと先のことも考えた方がいいかなと思います。

例えば、場所によっては道路の込み具合で時間が遅くなるかもしれないけど大丈夫か、仕事の状況によっては延長保育になっても大丈夫か、など起こりうることへの考えが抜けている人が多いんです。

万が一子どもが熱を出したときに、病児保育しているところを知っているか?一時預かりしてくれる場所を知っているか?親族や友人など頼める人はいるか?それらを全部試してダメだった場合は、当日の朝じゃなくて前日の夜に電話するとか。
そんな危機管理も大切だと思うんです。

休んではいけないわけじゃなく、なるべく休まないように努力する、これが大切なんです。

 

——–そうか・・・実際に働いたときに起こりうる事象を想定しながら、万が一の危機管理を整えておくことも必要なんですね。

 

髙木:もし子どもが風邪をひいたら、ここにお願いして、ダメならこうして・・・って危機管理ができているときこそ、子どもって案外大丈夫なんですよね。子どもって敏感なので。親が不安になっているときこそ、風邪をひいちゃうんです(笑)

 

——–確かにそうですね(笑)子どもを抱えながら働くって、やっぱり大変なことも多いですし、しっかり危機管理をして、働く中での不安要素が少なくなれば気持ちも楽になりますね。

 

髙木:私も4人子どもを育ててきて、専業主婦もそれはそれで楽しかったんです。料理を作ったり、おやつを作ったり、お散歩行ったり。

すごく楽しかったからこそ、子育てに専念したいのであれば、子育てを思い切り楽しんでほしいし、働きたいのであれば、思い切り働いたらいいと思います。

辛いと思ったら逃げ出せる場所とか気分転換できるものがあったらいいと思いますし。

フルタイムでもパートでも、専業主婦でも、みんなそれぞれ今経験をしていて、無駄ではないんです。働き方に焦点を置いている人もいれば、やりがいに焦点を当てる人もいます。
その人によって思うところは違うので、いろんな選択肢があることを念頭に置いておくといいかなと思いますね。

 

——–子育てするにしても、働くにしても、その道を選んでもそれが経験になって、無駄なことは一つもないんですね。
髙木さんとお話していると、なんだか元気をもらえますね。

 

髙木:元気の油田って言われています(笑)関わる人が元気になってくれたり、インスピレーションを感じてくれたりするのが一番なので。

以前は「なんでも私がやる!」という感じでしたが、最近は世に出ていく人の後押しをしたり、やりたいことを実現させるサポートができたらいいなと感じています。

いろんなところに素敵な人がいっぱいいるので、自分だけで考えるのではなく、今まで関わったことのない人と会ったり話をしたりして、もっと違う景色を見ていきたいと思いますね。

 

——–私ももっといろんな場所へ出かけて、いろんな人の意見を聞き、いろんな景色を見ていきたい思います。どんな想定外なことが起きても、それを楽しみに変えていけるパワー溢れる高木さんの生き方は、とても刺激を受けました。
本日は貴重なお話をありがとうございました。

 


アンカーウーマン金沢

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