自宅サロン&教室「Apple leaf」を営む、アロマとクレイのセラピスト講師の川崎 絵里さん。
アロマテラピーやハーブ、ヒーリングクレイなど自然の恵みを生活に取り入れる方法や、家族との心地よい暮らしを叶えるための心の持ち方などを提案されています。
前編に引き続き後編では、クレイと出会って変化したこと、これから挑戦したいことについてお話を伺います。
前編はこちら
クレイとアロマの相乗効果
——当初はアロマをメインで扱われていましたが、どのようなきっかけでクレイセラピーをメニューに取り入れ始めたんですか?
川崎:アロマって、自然のようで実は刺激物なんです。幼い頃からアトピー肌だった私のような方には注意が必要で、実際に肌が荒れたこともあるんです。
それで「どうして自然なものなのに荒れるんだろう」と色々調べていたときに、クレイセラピーというものがあることを知ったんです。
——クレイって、地層に埋まってる粘土のようなものですよね。私あんまり知らなくて…どんな効果があるんですか?
川崎:クレイにはデトックス作用があり、老廃物を出してくれることで自分が本来持っている自然治癒力を引き出して、疲れが取れたりコリがほぐれたり、また皮膚の再生作用も発揮されるんです。
だからスキンケアにも使えますし、私のような肌の弱い方にもオススメなんです。
アロマには薬理作用があって、栄養分を身体に取り入れる役割を持っています。痛みをやわらげるような働きもあります。
アロマは足し算の自然療法、クレイは引き算の自然療法、という感じで、働きが全然異なるんです。
——なるほど~!!アロマとクレイは、同じ自然療法でも全然違うんですね。クレイを使うと、肌の荒れやアトピーは改善されるんですか?
川崎:個人差もありますが、私は改善されましたね。
クレイパックをするとすごく気持ちよくて!!薬以外でかゆみが緩和された感覚は、クレイが初めてだったんです。
クレイは、赤ちゃんの沐浴やオムツかぶれにも使えるんですよ。
——クレイってすごい!!でも、まだクレイを扱うサロンって少ない気がします。
川崎:やっぱり地方なのでまだまだ少ないですが、少しずつ増えてきていますよ。アロマとクレイは同じ自然療法の仲間で、一緒に使用することで相乗効果があるんです。
アロマトリートメントをする前にクレイでデトックスをして、悪いものを身体から排出して、アロマで良いものを吸収させるって感じで、コラボメニューを提供するサロンも多いんです。アロマとクレイ、それぞれにしかない魅力があって、私はその魅力が好きなんです。
達成感が自信に変わったとき
——クレイを始めて、川崎さん自身変わったと感じることはありますか?
川崎:これまでの30年以上は薬に頼る方法しか知らなかったんですが、 自宅でもクレイなどのホームケアを利用しつつ、鍼灸師さんに今も定期的に見てもらいながら体質改善に取り組んできました。
その結果、今は西洋薬を使わなくて良くなったので、それは大きな変化だと思うし、幸せに感じますね。
——それは一番の大きな変化ですね。私も子どもの頃アトピー肌がひどかったので、クレイをもっと早く知りたかったなと感じます。
自分の子どもが肌荒れしたときなど、家庭で私がしてあげられることがあると嬉しいですね。
川崎:あとは、サロンを始めるときに一番ぶつかった壁が、自分の心の弱さや自己肯定感の低さでした。でも自然療法に出会って、自分の心や身体に合うものを見つけられた、コントロールできるようになったことに、すごく達成感を感じていて。
あんなに何年も病院に通って頼らざるを得なかったのに…。
だから、今ではだいぶ自分にも自信が持てるようになりました。
——自分の身体と向き合い、コントロールできるようになったという自信が、現在の仕事にも活かされているんですね。川崎さんにとって、仕事の一番のやりがいは何ですか?
川崎:やっぱりお客様の生活が幸せになることが一番嬉しいですね。
私のような肌の悩みや別のアレルギー、花粉症や喘息など、ずっと薬を使うのが当たり前になっていたけれど、色んなきっかけで自分の身体を良くしたいと思って、レッスンを受講してくださる方も多いんです。
初めは不安だった方も、使い始めたら楽しくて、気付いたら次のシーズンには薬の量が1/3に減っていた、なんて報告を受けたり。それがとても嬉しくて。
薬が悪いというわけじゃなくて、ずっと使い続ける必要のないものを無駄に使い続けることで、心の問題に繋がったり、ストレスがかかったり…ということもあると思うんです。
薬じゃないとできないこともありますが、自然療法でもできることはあると思うし、それがストレス軽減になればいいなと考えています。
決まりがないから奥深い
——生徒のみなさんから、たくさん嬉しい反応があるんですね!クレイを使って悩みが解消されるのも嬉しいですが、それだけじゃなくて、おうちでの楽しみの一つとなっている方も多いんだろうな。
川崎:そうなんです。楽しいし気持ちいいから、みなさん続けられるんだと思います。
それにクレイは、パックだけじゃなくて化粧水に入れたりクリームにしたりいろんな使い方ができるので、生活の中に負担なく取り入れられるのも、続けられる要因かもしれませんね。
——化粧水やクリームとしても使えるんですか?スキンケアは女性なら毎日必ず行うので、それなら無理なく続けられそうです!
川崎:いろんな使い方ができるクレイは、私のようなズボラにはピッタリですね(笑)
レッスンでは、初めにクレイの基本的な使い方や得意技などをレクチャーするんですが、自宅でどう使っていくかは本人の感覚で決めていくことができるんです。決まりがないので。
だから、私の思い付かなかった使い方を発見する生徒さんも多くて、よくビックリさせられます(笑)
例えば、乾燥肌やアトピー肌での使い方は自分が経験しているので、いくらでもアドバイスができます。でも、脂性肌やニキビ肌のことは理論上ではアドバイスできますが、経験していないので分からないこともあるので。
だから、生徒さんから「これを使うと良かった」とか、実際に試して良かった使い方を教えてもらったりもしますね。
——生徒さんの経験を知識の一つとして吸収することで、他の同じような悩みを持つ生徒さんに提供することもできますね。
生徒さんと一緒に作り上げていくって感じで、とても面白いですね!
自然療法をもっと身近に
——これから挑戦してみたいことを教えてください。
川崎:今後は学校や幼稚園などの場で、クレイやアロマを知ってもらう機会を増やしていけたらいいなと考えています。
大勢の前でしゃべるのは得意ではないのですが(笑)毎日忙しくて自分から情報を探しに行くことが難しいママ世代の方々にも、そういう機会を通じて自然療法を知るきっかけになってもらえたらと思います。
——子ども達にとっても、幼い頃からクレイなどに触れる機会があるのって素敵だと思います。それに、ママ世代もいろんな悩みがあるけど「どこに頼ったらいいのか分からない」という方が多いかと思いますし。
「こんな方法があるんだ」と良いきっかけになるといいですよね。
川崎:それに子どもが小学生になって感じたのが、小中高校生になると自分の身体や心の悩みをなかなか親に相談できない子どもが多いということ。
だから親はもちろん、これから育つ子ども達にも、悩みを解消できる選択肢の一つとして自然療法を知ってもらえたらと思います。
——そうですよね。子ども達にとっても、自分で悩みを解消する方法を身に付けておくことは大切だなって思います。最後に、川崎さんが好きな言葉を教えてください。
川崎:「知足安文(ちそくあんぶん)」です。「足りていることを知る」という意味で、今の状態が十分幸せであることを知るということ。
自分には足りないものが多すぎるから、「もっと勉強しなきゃ、新しいことをしなきゃ」とずっと渇望してきたんですけど、この言葉を知ってからは、私には家族もいるし家もある、今で十分幸せなのに何が足りないんだろう…って思い始めたんです。
いかに自分が今まで無いものばかり見てきたか…改めて実感しました。 私はこんなにも幸せだと気付くと、自分も満たされますし周りにも優しくなれます。
自分の考え方を変えてくれたこの言葉を、これからも忘れないようにしたいなって思います。
——いい言葉です…。私もついつい、無いものねだりをしてしまいます。「知足安文」の言葉を常に心に留めておきます!
いつでも等身大で相手と向き合い、ホッと癒される時間を提供してくれる川崎さん。現在、コロナウイルスの影響によりレッスンは全てオンラインで実施をされています。
初めての方向けにクレイパックのワークショップを企画するなど工夫を凝らして、たくさんの女性がおうち時間を楽しく穏やかに過ごせるよう、日々発信をしてくれています。
たくさんの女性が、クレイやアロマを通じて、不安な毎日を少しでも明るく笑顔で過ごせるようになるといいなと思います。
素敵なお話をありがとうございました。
【公式サイト】Apple leaf(アップルリーフ)
【Instagram】@eririn2016appleleaf