金沢は京都と並んで着物の似合う街。
兼六園の緑や武家屋敷の土壁、そして21世紀美術館のモダンな風景にさえ、着物姿が不思議とマッチします。
そのため「着付けを習ってみたい」と思う人が多く、その反面「敷居が高い」と感じる人も多いのではないでしょうか。
そんな敷居を”愛”で超えさせてくれる、金沢の着付け教室「ナツメミヤビ」を編集部クミコが取材してきました。
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ナツメミヤビでプライベート着付けレッスンを体験!
今回、着物大好き編集部クミコが伺ったのは、金沢市の着付け教室「ナツメミヤビ」。教えてくれるのは、着物姿が凛としてキレイな上濃先生です。
「ナツメミヤビ」の着付けレッスンは、マンツーマン・少人数制でのスタイルが基本。「大人数の教室はついて行けるか心配」「不器用でも大丈夫かな?」と、不安を抱える方でも安心して通えるのが魅力です。また、長時間着ていても着崩れしにくい、かつシンプルで簡単な着付けの手順を丁寧に教えてくれると評判です。
着付けレッスンを体験した場所は、ナツメミヤビさんのご自宅がある金沢市玉鉾町。普段のレッスンは、こちらのご自宅と、水曜日は金沢市安江町にある町家レンタルスペース「Nigiwai Space新保屋」で行われています。
コースは、はじめてさんコース(全8回)、ステップアップコース(全6回)のほか、他装コースもあるそうですが、ほぼマンツーマン(友達となら2人まで)なので、その方のご希望に合わせてさまざまなニーズに応えてくれるそう。自分のペースに合わせて習得できるのが嬉しいですね。
着る前の準備はこころの準備
「ナツメミヤビ」の着付けレッスンでは、まず着付けに必要な小物の揃え方について座学で学びます。着物や帯はもちろん、帯締めや肌着、足袋など基本的な小物は自分で持参します。もし「これがない!」という小物があれば、貸し出しも可能です。
早速テキストに沿って、先生と一緒に準備した小物を確認していきます。
小物が揃っていることを確認した後は、小物のセッティング。実はこのセッティング、よりスムーズに着物を着るために大切な行程なのだとか。着たときの仕上がりをイメージしながら、着付けに使うものを取りやすいように逆算してセッティングしていきます。
帯の上に帯板、その上に着物といった具合に並べ、腰ひもなどもつまんだ時にちょうど真ん中になるように巻いて準備します。
あらかじめ準備をしておくことで、気持ちに余裕が出て、それだけで着物を着るときのハードルが下がるんですって。
私も教わった通り、紐をくるくる巻いて、順番に使うものを並べていくことで、茶道の手順を踏むような静かな気持ちになることができました。
同じ目線で手を動かす。まさにマンツーマンの特権!
「さて準備ができたので、いよいよ着てみましょうか!」と、おもむろに上濃先生が着物を脱ぎ始めます。
そうなんです。着付けをする時に一番わかりにくいのが手の向きや角度。それを一緒に何度も見せながら、繰り返しながら教えてくれるのがナツメミヤビ流なのです。
「こういう風にここを持って引っ張ります。」
「こっちをひっぱってしまうと、こんな風にずれてしまうんですよ。」
「手の向きはこんな形。そしてこうやってすべらせる。」
短い言葉で聞き、実際に目で確認することで、とても分かりやすく記憶にも残ります。
「自分で最後まで着れた」という感覚を大切にされている上濃先生。サポートは最小限に、手本となる実践と分かりやすい説明で、根気強く丁寧に教えてくれます。
「ほら、一人で着られたでしょ♪」と、笑顔の上濃先生。
自分で最後まで手を動かしたので、本当に「一人で着られた~!」という実感がありました。
上濃先生「着付けって難しいんじゃないか、私にはできるかしら?と不安を感じながら、ナツメミヤビに来てくださる方ってとても多いのです。だから、まずは、自分一人で着られた!という体験をしていただいて、不安な気持ちを解消する。そのために、まずは、着ていただくんです。」
充実した体験レッスンは、約90分~120分。「ナツメミヤビ」では、体験レッスンを通して、着付けのハードルを下げ、自分の目標を明確化させた上で着付け教室の受講をスタートできるのでとても安心!
苦手なところや習得のペースは人それぞれなので、生徒一人ひとりの個性に合わせて、言い方や手の使い方を変えたりして、繰り返し練習するそうです。しっかり理解が深めながら習得できるのは、マンツーマンレッスンの魅力ですね。
変化し成長し続けるナツメミヤビ
2015年に開業し、今年で7年目をむかえる「ナツメミヤビ」。
バティック帯やオリジナルの「うそつき襟」の制作、きものカラーコーディネーターの資格取得、オリジナル帯揚げ制作など、マルチな活動はとどまることを知りません。
そんな上濃先生に、開始当初から現在まで、教室をしていく上でどのような気持ちの変化があったか聞いてみました。
上濃先生「昔は、せっかく習うなら綺麗に楽にみんな同じレベルまで引き上げてあげたいと、とにかく一生懸命で。陸上のコーチで言えば、陸上のコーチで言えば、全員が同じように早く走れるように!と考えて教えていたように思います。でも今は、ナツメミヤビに通うことを楽しんでくれている生徒さん達の姿を見て、走る過程、練習する過程すべてを一緒に楽しめるようになりました。」
ナツメミヤビの教室では、着られるようになった生徒さんのリピート率がとても高いのだとか。きっと、楽しそうに次々と新しい技術やものづくりなど、さまざまなことにチャレンジされている先生の姿を見て、教室に通うことを楽しんでいらっしゃる生徒さんが多いのだろうなと感じます。
上濃先生ご自身も、生徒さんの笑顔や楽しむ姿を見て、より生徒さん達が着物を楽しめるようにとの考えから、挑戦したいことや夢が増えてきたそうです。
そして、生徒さんの喜ぶ顔がなによりも嬉しいと話す上濃先生。最近では、なんと60代後半の姉妹の方が教室にいらっしゃって、後ろ結びで着物を着られるようになったことがとても嬉しかったそう。
また、お嫁入りのときの着物に初めて袖を通してあげることができたと、感動してくださる生徒さんも多いそうで、生徒さん一人ひとりの笑顔が、上濃先生のやりがいや着物愛にも繋がっているのだと感じました。
ナツメミヤビ体験レッスン詳細
体験レッスン(自装)
《料金》2,000円(別)/回
《主な内容》きものに名古屋帯まで自分で着る
《座学》道具の揃え方
《持ち物》
肌着×1(スリップ・タンクトップ・スパッツなど可)、足袋×1(足袋靴下可)、補整用タオル×4、襦袢×1(半衿のついたもの)、きもの×1(自分の身長±5cm位の丈のもの)、名古屋帯×1、帯揚げ×1、帯締め×1、帯板×1、帯枕×1、腰紐×6、伊達締め×2、衿芯×1、着付けクリップ1
*貸し出し可
《公式サイト》ナツメミヤビの大人の帯遊び
まとめ
着物を着ると、なんだか気分が上がりますよね。せっかく情緒あふれる金沢に住むなら、ワードローブの1つに「着物」を加えてみると、毎日がグッと楽しくなりそう♪実はお嫁入りのときに着物を持たされたという方も多いかもしれません。ぜひその着物を生かしてみるものオススメですよ。
「着物を一人で着てみたい」と思ったら、ぜひナツメミヤビの着付け体験レッスンを覗いてみてくださいね。上濃先生のあふれる着物愛と柔軟な考え、着物のさまざまな楽しみ方に触れられますよ。
また「Nigiwai Space 新保屋」で月一回開催される講座もチェックしてみてくださいね。