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【インタビュー】花を1本持つだけで人生は変わる/ameagua~あめあぐあ~代表 長谷川由香里さん

「生まれてからの一生を花で彩る」あなただけの特別な花屋さん、ameagua~あめあぐあ~を営む長谷川由香里さん

アーティフィシャルフラワー(造花)のレンタルフラワー 、ウェディングブーケなど手掛けるオーダーメイド制作販売 、そしてフラワーアレンジメント教室の開催など、多岐にわたる活動をされています。

人が生まれてからの人生を花で彩るお手伝いがしたい、そんな強い想いを持つ長谷川さんが、この仕事を始めたきっかけは、友人からのある頼みごとでした。

1年後の結婚式にブーケを

————「あめあぐあ」とは、造語で「雨水」を意味するそう。
乾いた大地に降り注ぎ、生命の源になる雨水。とても素敵な名前ですね。長谷川さんは現在、アーティフィシャルフラワーのレンタルフラワーをされていると伺いましたが、アーティフィシャルフラワーとは、どのような花なんでしょうか?

長谷川さん(以下、長谷川):アーティフィシャルフラワーとは、いわゆる人工的に創作した花(造花)という意味なんですけど、その種類はとても多いんです。

よく知られているコットンやポリエステルなどの素材で造ったシルク・フラワーはもちろん、リボン・フラワーやペーパー・フラワー、食パンを原料とした粘土で造るパン・フラワーなども含まれます。

————造花にもそんなに種類があるんですか?!初めて知りました。

長谷川:アーティフィシャルフラワーは、枯れる心配がないので長持ちしますし、アレンジの自由度も高いのが特徴ですね。




————それ以外には、オーダーメイド制作やフラワーアレンジメント教室で講師もされているんですね。フラワーアレンジメント教室に来られる生徒さんは、どのような方が多いんでしょうか?

長谷川:私の生徒さんって、ほとんどが年上の方なんです。

介護施設に出向いて教室を開かせて頂くこともあるので、私の祖父母世代の方を教える場合もありますし、カルチャースクールでは母世代の方が多いですね。

というのも、以前は花嫁修業の一環で花を習うことも多く、花に慣れ親しんでいるんだと思います。

実は、私の母も生け花の師範だったんです。
幼稚園の時は、母が公民館で教室を開いていて、私もそれについて行ったりして。
そこで、生徒さんが使った切りくずを机と机の間に挟んで遊んでいた記憶が今も鮮明に残っているんです。

————今でも鮮明な記憶に残っているなんてすごいですね。幼い頃の長谷川さんにとって、とても印象深い体験だったのかもしれませんね。そのことが、お花を始めるきっかけとなったんでしょうか?

長谷川:いえ、そのことでお花を選んだわけではなくて。実際、フラワーアレンジメントは20歳の頃に始めているんです。

20歳の頃はフリーターをしていて、ひたすら遊ぶかバイトするか…って感じで(笑)高校時代の先生とよく飲みに行ったりもしていたんです。

ある日、その先生が1年後に結婚することになって。
「ウェディングブーケ、ゆかりちゃんが造ってよ」と頼まれたんです。

それで翌日、さっそくお花を習う教室を探し始めたんです。


————その時は、全くアレンジメントの経験はなかったんですか?




長谷川:はい、そうなんです(笑)
ただ、お金もなかったので教室は無理だなって。だったら通信教育で学ぼうと。
そして、現在も加盟しているフラワーデコレーター協会の直轄校で学び始めました。


————高校時代の先生へのウェディングブーケがきっかけになるなんて、素敵なエピソードですね。1年後、無事プレゼントされたんですか?

長谷川:はい、無事ウェディングブーケを渡すことができました。
その後も、友人のウェディングブーケの注文を受けたりしながら、副業みたいなカタチで活動していました。

受け継がれる想い

————ウェディングブーケの制作は、当初からずっと続けられているんですね。

長谷川:なんだかんだ、造り続けていますね。

最近のブーケってスワッグタイプの束ねる手法が多いんですけど、以前はワイヤリングという手法が主流だったんです。キャスケードブーケやラウンドブーケなどで使われる手法ですね。

私、そのワイヤリングが大好きで。細かい作業がすごく好きだったんです(笑)



————そうなんですね!細いワイヤーを使って一つ一つ巻き付けていくんですね。すっごく細かい作業だし、難しそう…。でも長谷川さんにとっては、それがすごくハマったんですね。

長谷川:始めた当初にブーケを造らせて頂いたお客様のお子さんって、今もう19、20歳くらいになるんですよ。

時代と共にドレスも変化していくので、そのお子さんの結婚式で同じブーケを使うことは難しいんですが、そのお花を使ってまた新しいブーケは造れるよね、って話をしてて。
リメイクというか、ブーケを造り変えるというか。

たぶん、私がひたすらこの仕事をしているのは、そのお子さん達のブーケを造りたいからなんです。


————造花を使用していると、また次の世代にも受け継ぐことができるんですね。お母さんから想いを受け継いだブーケ、きっとお子さんもすごく嬉しいだろうな。

長谷川:つい最近も、7年前くらいにブーケを造らせて頂いたお客様で、「いつか子どもが成長して結婚するときに、自分のブーケで新しいブーケを造ってもらうのが楽しみです」とメールをくださったり。


————すごく素敵!!ウェディングブーケを造るときに大切にしていることは何でしょうか?


長谷川:やっぱり新婦様の好きな花を入れたり、花言葉とかも考えながら。

あと、結婚式って幅広い世代の方が出席されるので、世代間の違いには注意していますね。
例えば、椿の花って昔はお祝いの席では相応しくないと言われていたんです。
なので椿を使いたいという場合は、出席者の受け取り方に相違がないよう、しっかり打ち合わせしながら花選びをするようにしています。 それに、お母様やお父様の想いもお聞きします。
先日も、娘さんのブーケを造りたいと来られた方がいまして。
娘さんの好きな色の花の中に、おばあちゃんの好きな花を少しずつ入れたいとの依頼でした。

娘さんはとてもおばあちゃんっ子だったんですけど、当日出席できなかったので、おばあちゃんの想いも入れたブーケを持たせたい、と。


————ブーケ一つ一つに、親御さんや周りの方々のいろんな想いが込められているんですね。

変わりゆく花との関わり

————長谷川さんは、現在子育てをしながら働くワーキングマザーでもありますが、お子さんはやっぱり花が好きですか?

長谷川:好きですね~。やっぱり私を見て育っているので。
家の中には、子どもの作品コーナーもあるんですよ(笑)

ただ、教えることはしていなくて、花育の一環で好きなように触らせている感じです。
自分用の花を切るハサミと、専用の花器を持たせてあげて。

どうしても、フラワーアレンジメント教室に子どもを連れて行かなければならないこともあって。
レッスン中は、花を少しだけ与えて「好きなように造っていいよ」と言って、場をもたせたり。
いつも生徒さんより自分の花の数が少ないと、不満を言ってますけどね(笑)

————お子さんもすごく花を楽しんでいるんですね!将来大物になりそうな予感(笑)

長谷川:子どもも私も図工が好きで。もので表現することが好きなんですよね。
私はその表現するものが花だっただけで。子どもは、それが花かもしれないし、全く別のものかもしれないし。

最近行っているのが、親子レッスン。お母さんとお子さんが一緒に参加して、別々の作品を造って帰るというスタイルの教室をやっていて。
お母さんはリースを作っている間、お子さんは生花を生けたり…。

————ほうほう、面白いですね!通常、親子で一つの作品を造るスタイルが多いと思いますが、子どもは子どもで作品を造り上げるんですね。やってみてどうですか?

長谷川:教室は今2回目を終えたところなんですが、それぞれ個性が出ていてとても面白いですよ。
教室には、自己表現が苦手なお子さんも習いにきてくれたりもしてて。

世の中って、すごくせかせかしていると思うんです。
だから自己表現が苦手な子も、本当は苦手なんかじゃなくて心の中で解釈しているんだけど、気持ちが落ち着くまで待ってもらえない、そんな世の中になっていると思うんです。

これは花でも感じられることで…花って、すごく贅沢品なんですよね。
不景気になると一番初めに削られるものが、花なんです。

だから、この贅沢品を取り入れたいと思う気持ちは、心にゆとりがないと生まれない。
そのゆとりを許さない時代になってしまったと思うんですよね。

————そうなんですね。以前に比べて、花が生活に取り入れられることは少なくなってしまったのでしょうか?



長谷川:生花の売り上げが年々減少しているのは、データにも出ているんです。

あと、少し寂しい話なんですが、以前子ども向けの教室を開いたときに、「お母さんが家で花を飾らないから私も飾らない」という子がいたんです。

その子のお母さんのお母さんが20代の頃が、ちょうどバブル崩壊後の「花という贅沢品が削られた時代」だったという背景を、そこから考察することができるんです。



————そっか…じゃあお母さんが花を飾らなければ子どもも飾らない…そんな寂しいサイクルができてしまったんですね。

長谷川:逆に、そんな時は理科や社会の話をするとノッてくる子もいるんです。

例えば理科だったら、この花は何科で何属の花だとか。
社会だったら、いつの時代に日本に入ってきた花だとか…。

子ども達は何でヒットするか分からないので、子ども向けの教室の前は必至にネタを用意してますね(笑)



————子ども達が花に興味を持てるよう、いろいろ工夫されているんですね。

家族と向き合う時間を

————仕事をされていて、一番やりがいに感じるのは何でしょうか?

長谷川:お客様の笑顔ですね。
レンタルフラワーで毎月お客様のもとへ交換に伺うんですが、その時のお客様の笑顔も嬉しいですし、ブーケをお渡しした際の新婦様の笑顔は本当に忘れられないですし、教室に来てくれる生徒さんの笑顔も嬉しいですし。



————お客様の喜ぶ姿が、一番のやりがいになっているんですね。一つ一つ全てが、忘れられない笑顔ですね。花を通じて、伝えたいことはありますか?



長谷川:どんどんAIが進歩して、花がなくても生活できる時代になっているんですよね。
だから、最近は特に、「花を持つ」以前に「自然を持つ」ということを伝えていきたいんです。


先日、子どもの保育園にボランティアで訪問させて頂き、使わなくなったクロモジという木を子ども達に持たせてあげる機会を設けたんです。

クロモジって、切るといい香りがする特別な木なんですけど、アロマみたいな香りがするんですよ。




————面白いですね!切ると香りがする木、初めて見ました。こんな体験、子ども達もなかなかできないと思うので、きっと貴重な体験として心に残っただろうな。

長谷川:そうですね。こんな機会のお手伝いをしていけたらいいな、と思います。


————始めた当初は副業のようなカタチで活動されていたと伺いましたが、本格的に起業しようと思ったのは何故だったのでしょうか?

長谷川:私は、家族との時間がほしいというのが起業の理由なんです。
家族との時間を作るためにはどうしたら良いか、若い頃からずっと考えていて。

会社にいると、どうしても頑張り過ぎちゃうタイプだったので。
子どもができたら会社勤めはできないなと、感じていました。

南砺市に嫁いできた当初は、簿記も学びたかったのでハローワークの講座を受けたりもしてたんですが、でもやっぱり花が好きだし心の中には起業のことがあって。だから講座が修了後、すぐ開業届けを出しにいきました。

起業して、もう7年になりますね。



————今は家族との時間が取れていますか?




長谷川:最近では、たまに「寂しい」という言葉を言うようにはなったんですけど、それも成長だと感じていて。
子どもと向き合う時間を作るための起業だったので、いま子どものサインは感じられる状況にはあると思っています。

それに我が家は、主人が頑張ってくれて。主人が変わってくれたから、私は起業し続けられてるんです。

————起業するにあたって、旦那さんのサポートは大きかったんですか?





長谷川:起業する中で、やっぱり衝突する部分はたくさんあって。子どもを産んだあとの衝突が多かったですね。
起業するとき、借金はするなという条件を出されたんですけど、どうしても事業を大きくする上ではやむおえない部分もあって。

ただ、私がとやま起業未来塾に通っているときも、子どもを幼稚園に入れていなかったので、主人が仕事や予定をやりくりして子どもを見てくれたり、一時保育を利用したり、それでもダメなら友人にお願いしたり…そんなやりくりを全て夫婦で協力してて。

提出課題を夜中まで取り組んでいた姿とか、私の大変さをずっと見てくれていたので…。
それで主人も変わってくれて、今は以前より寛容になってくれたと思ってます。

————じゃあ、夫婦二人三脚で頑張ってこられたんですね。家族がしっかりサポートしてくれる環境があると、心強いですね。

長谷川:家族の協力はたくさん得られていて、支えられているなって感じてます。
この支えがなければ、この仕事をできていなかったと思うので。

私を踏み台にしてほしい

————これから叶えたい夢はありますか?

長谷川:私を踏み台にする生徒を増やしたい、ですね(笑)
私は踏み台になればいいと思っているんですよ。

たぶん成長過程で「この人に学びたい」と思う人ってどんどん変わっていくと思うんです。
だから、私よりももっと良い先生に習いに行く、と言われるような先生になりたいんです。

どんどん私を越えて行ってほしいし、「私はそんな簡単に抜かせないぞ!」と私も頑張るし。

講師業に関しては、それが一番の贅沢じゃないかな?
越える生徒を輩出するっていうのが。私もそれを糧に頑張るし。

資格にとらわれず、他の業種でもいいので、私を踏み台にして成長してくれればと思ってます。

————長谷川さん、もしかして負けず嫌い?!(笑)長谷川さんを通過点として、これからたくさんの生徒さんが成長していくんだろうなと思うと、すごく楽しみですね。

コンセプトにされている「生まれてからの一生を花で彩る」という言葉もすごく素敵だなと感じました。このコンセプトには、どんな想いが込められているんですか?

長谷川:最初は「あなたのお花屋さん」というコンセプトだったんですけど、どんどん自分の中でブレてきちゃって。ずっと考えていて出てきたのが、この言葉だったんです。

ヨーロッパのあたりだったと思うんですが、家ごとでお抱えの花屋さんを持つ国があるんです。
その家に誰がいて、いつ子どもが産まれて、いつ法事があってなど、その家の全てを熟知している花屋さん。そんな花屋さんが私の理想なんです。

お腹にいるときから亡くなって、亡くなった後まで、その方の人生すべてを花で彩ってあげたい。
これが、私が今一番やりたいことですし、ずっとやりたかったこと。

私は楽しいことを伝えたいし、花で彩ることを伝えたい。
ここ1年くらいで自分の軸がしっかり出来た、そんな風に感じていますね。



————一つ一つ歳を重ねるごとに、その節目を花で彩ることができる、その方の人生にずっと付き合っていくことができる魅力があるんですね。

「私、ひたすら造ることが大好きなんですよね…」とブーケを造りながら話す長谷川さんの、すごく楽しそうな笑顔が忘れられないくらい印象的でした。

花を1本持つだけで人生は変わる。


慌ただしい毎日で、そのゆとりの気持ちはとても大切にしていきたいと感じます。
貴重なお話をありがとうございました。


あめあぐあ公式サイト
https://ameagua.jp/