知っておきたい、取引先へのお歳暮マナー。
今回は、お歳暮を渡す時期や選び方、送り状、そしてお歳暮をもらった際のお礼状の書き方について解説します。
大切な取引先の会社やお客様に失礼のないよう、お歳暮ビジネスマナーのポイントをしっかりマスターして、日頃の感謝を贈りましょう。
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お歳暮とは?
お歳暮とは、日頃お世話になっている方に1年間の感謝を込めて贈り物をする風習です。
同じような風習で「お中元」がありますが、お中元は「半年間お世話になった感謝の気持ち」を込めた贈り物です。
なので、お中元とお歳暮は必ず両方贈らなければならないというわけではなく、もしどちらかを贈る場合は、「お歳暮」を贈るのが好ましいです。
お歳暮はいつ贈るもの?
お歳暮を贈る時期は、地方によって若干異なっています。
北陸地方では、12月10日頃~12月20日頃とされています。
【北海道/東北/北陸/東海/関西/中国/九州】
12月10日頃~12月20日頃
【関東】
12月1日~12月20日頃(早い地域では11月末頃~)
【沖縄】
12月初旬~12月25日頃
このように、地方によって贈る時期が異なるので、贈る相手の地域ではどの時期に贈るのが適切なのかを事前にしっかりチェックしておくことがポイントです。
うっかりお歳暮の時期を逃してしまったら!?
取引先の会社やお客様へのお歳暮は、失念がないようしっかり早めの準備が必要です。
しかし、うっかり忘れていて時期を逃してしまったということもあるかもしれません。
そんなときは、「お歳暮」の代わりに「お年賀」としてギフトを贈る方法があります。
のし紙の表書きは「お年賀」と書かれたものにします。
お年賀を贈る時期は、基本的には松の内まで。
関東では1月7日まで、関西では1月15日までに手配するようにしましょう。
万が一、お年賀の時期にも間に合わない場合は、のし紙の表書きを「寒中見舞い」に変えて2月4日の立春までに贈るようにしましょう。
お歳暮の選び方
相場
取引先へのお歳暮の相場は、一般的には3,000円~5,000円程度。
特にお世話になっているお得意先や社長個人に贈る場合は、8,000円~10,000円程度が多いようです。
あまり高価なものだと、取引先に気を使わせてしまうので注意が必要です。
お中元もお歳暮も贈る場合は、お中元よりお歳暮のほうがやや高めのものを贈るようにしましょう。
贈るもの
・分けることができて、手軽に食べやすいもの
取引先の会社へのお歳暮には、個包装になっているお菓子の詰め合わせなど職場で分けられるものがオススメ。
贈る会社の従業員数に合わせて選びましょう。
また、コーヒーや紅茶、お茶などお湯を注いで手軽に楽しめる飲料も好まれます。
できるだけ日持ちをするものを選びましょう。
・地域限定品や特産品
遠方の方へ贈る場合は、その地域でしか買えない特産品や有名なお菓子などが喜ばれます。
なかなか手に入らない限定品などをお歳暮に選んでみるのもいいかもしれません。
贈らないほうがよいもの
・日持ちがしないもの、調理が必要なもの・贈る会社の競合となる会社の商品
・複数人で分けるのが難しいもの
・商品券
・アルコール(お酒が好きな個人宛ならOK)
取引先への発送時ポイント
宛名
お歳暮の宛名は、会社宛ての場合は社長の名前、支店・部署宛ての場合は、それぞれの支店長や部署長宛にします。
のし
基本的には、完全包装したものにのし紙をつけて贈ります。水引は紅白の花結び(ちょう結び)を選びましょう。
表書きには、水引の上部分に「御歳暮」と書き、下部分に「名前(自社名、代表肩書、代表名)」を書きます。
今回一度だけ贈りたい場合には、「お歳暮」ではなく「御礼」と書くようにしましょう。
《出典:Shaddy.jp》
お歳暮の送り状は必要?
お歳暮は本来、贈り物を持参して、取引先の会社に1件ずつご挨拶に伺うものでしたが、近年では百貨店等から直接お送りするのが主流になりました。
そこで、直接挨拶ができない代わりとなっているのが「送り状」です。
事前の連絡なしに品物を贈るのは失礼にもなるため、お歳暮を贈る際には事前に「送り状」を送るというのがマナーとなっています。
送り状は、お歳暮の品物より前に届くようにする
⇒お歳暮が届く3日前程度には届くように送るのが好ましい。
送り状は縦書きがベター
⇒取引先やお得意様向けのビジネスシーンでは、縦書きが基本的なマナー。気の知れた人物や会社宛ての場合ははがきでも良いが、それ以外は封書で書くようにしましょう。
気持ちを伝える手書きで書く
⇒先方に感謝の気持ちを伝える手紙=送り状なので、手書きで丁寧に書くように心がけましょう。
できれば、万年筆の使用がオススメです。
お歳暮の送り状の書き方
送り状の書き方は、このような流れで。
①頭語(拝啓・謹啓など)
②時候の挨拶
③相手への感謝の気持ち
④贈り物について
⑤これからの変わらぬ関係と先方の健康や繁栄を願う言葉
⑥結語(敬具・謹白など)
⑦日付、署名
ビジネスシーンでの送り状文例は、こちらのサイトをご参照ください。
【お歳暮の送り状の書き方と例文】
https://letter.sincerite-shop.com/okurimono_ichiran/sub20.html
【手紙の書き方大事典】
https://www.letter110.net/okurijou/oseibo.html
お歳暮のお礼状の書き方
もし取引先やお客様からお歳暮を頂いたら、遅くとも3日以内にお礼状を出すことを心がけましょう。
もし送付が遅くなってしまった場合は、文章内にお詫びの言葉を付け加えるとよいでしょう。
ビジネスシーンでのお礼状に関しては、基本は封書で。
はがきの場合は、誰かに見られても問題のない文面にしましょう。
また、お礼状をメールで出す場合は、件名にお歳暮のお礼状であることを記載するようにしましょう。
お礼状の書き方は、このような流れで。
①頭語(拝啓・謹啓など)
②時候の挨拶
③お歳暮のお礼の言葉
④先方の健康や繁栄を願う言葉
⑤結語(敬具・謹白など)
⑥日付、署名
ビジネスシーンでのお礼状文例は、こちらのサイトをご参照ください。
【お歳暮のお礼状の書き方と例文】
https://letter.sincerite-shop.com/orei_ichiran/sub5.html
お歳暮の注意点
公務員や政治家などは、そもそもお歳暮やお中元などの贈答品を受け取ることができません。
また一般企業においても、受け取りを禁止しているケースがたまにあります。
予め、贈る取引先の状況は下調べしておくと良いですよ。
まとめ
お歳暮やお中元は、大切な取引先やお客様へ感謝の思いを届ける大切な日本の習慣です。
これからもずっと変わらず良いお付き合いができるように、先方への敬意を込める意味でもお歳暮やお中元のビジネスマナーを覚えておくことは大切ですね。
ぜひビジネスでお歳暮を贈る際に役立ててみてくださいね。