「今年の紅葉はどこへ見に行こうかな」と計画を立てている方も多いと思いますが、いつもとはちょっと違ったスポットで紅葉を楽しむのはいかがですか?
兼六園など有名な紅葉スポットも魅力的ですが、今年はあまり多くの人が集まるところよりも、ちょっと静かでゆっくりと紅葉鑑賞できるところがオススメです。
金沢在住のライターが、穴場な紅葉スポットをピックアップしました!
静かで趣のある雰囲気が魅力「大乗寺」

「大乗寺」は、野田山に続く大乗寺山の山すそにある曹洞宗のお寺です。
1261(弘長元)年に永平寺の3代目祖師・徹通義介禅師によって開かれました。
山門の奥に建つ仏殿は、法堂・庫裏・僧堂と回廊で繋がっており、見応えのある建物。禅宗寺院らしい静かで趣のある雰囲気です。
金沢の紅葉スポットとしてはあまり知られていないのですが、境内には立派なカエデの木が多くあり、紅葉シーズンには見事に色づいて美しい景色を楽しむことができます。
一番のシャッタースポットは「山門」。鮮やかな朱塗りの門と赤く色づいたカエデを写真におさめてみてはいかがでしょうか。
また、大乗寺では毎週日曜日の13:30から僧侶が修行している僧堂で座禅体験ができる「日曜参禅会」を開催しています。
座禅でゆっくりと自分の心を見つめなおした後、境内で美しい紅葉を鑑賞する、というのもなかなか充実した1日になりそうですね。
大乗寺
《紅葉の見頃》11月下旬ごろ
《営業時間》拝観自由
《入場料》無料
《駐車場》あり
《住所》石川県金沢市長坂町ル-10
《電話番号》076-241-2680
《公式サイト》大乗寺
母への愛を感じる見事な庭園「成巽閣」

「成巽閣」は、13代藩主前田斉泰が母・真龍院のために建てた隠居所です。
加賀百万石の栄華を感じることができる、風格ある佇まいが特徴。大名書院造りと数奇屋風書院造りの二つの様式を取り入れた建造物で、国の重要文化財にも指定されています。
花や鳥がデザインされた欄間や小鳥の絵が描かれたオランダ製のギヤマンなど、美しい意匠や華やかな色彩で彩られた空間は、女性らしい雅な雰囲気が漂い、藩主の母への想いが感じられます。
建物だけではなく、丁寧に手入れされ、国の名勝に指定される庭園も見ごたえ十分。
特に、「つくしの縁庭園」は、約20mの長い縁に柱が1本も無く、部屋から開放的な眺めを楽しむことができます。敷地内にはノムラカエデ、イロハモミジなど様々な木々があり、紅葉シーズンにはそれぞれが順に色づいて、日々変わっていく様子が目を楽しませてくれるそうです。
また、「所蔵品展示室」では前田家に受け継がれている貴重な雛人形をはじめ、華やかな紋様や刺繍が施された衣裳や調度品を鑑賞することもできますよ。
ゆったりと美しいお庭やお部屋を眺めながら、前田家の歴史に思いを巡らせると、優雅な時間が過ごせそうです。
成巽閣
《紅葉の見頃》11月中旬ごろ
《営業時間》9:30~17:00
《入場料》一般:700円 中高生:300円 小学生:250円
《駐車場》あり(有料)
《休館日》水曜日
《住所》石川県金沢市兼六町1番2号
《電話番号》076-221-0580
《公式サイト》成巽閣
江戸の風情を感じながら紅葉を楽しむ「寺島蔵人邸」

「寺島蔵人邸」は、藩政改革に努めた加賀藩中級武士・寺島蔵人の屋敷です。
江戸中期の風情を残す建物は、金沢市指定文化財として保存され、敷地内には家屋、土蔵、土塀があり、庭園も散策できます。
蔵人は画家としても活躍しており、彼の書画などの数多くの作品をはじめ、寺島家に代々伝わる書画工芸品も展示されています。
家屋の北側と東側に広がる庭園は、池とその周囲を巡る園路を中心に作られた池泉回遊式で、バキ、サザンカ、ヤマブキ、アオキ、モミジなど200本を超える木々を鑑賞することができます。
中でも、樹齢300年以上のドウダンツツジが秋に紅葉する様子は圧巻。春に開花する様子も素晴らしく、四季の移ろいにあわせて木や草花の美しい景色を楽しめる、とっておきのスポットです。
寺島蔵人邸 *9/30まで休園中
《紅葉の見頃》11月下旬ごろ
《営業時間》9:30~17:00
《入場料》一般:310円 高校生以下:無料
《駐車場》なし
《休館日》火曜日
《住所》石川県金沢市大手町10-3
《電話番号》076-224-2789
《公式サイト》寺島蔵人邸
まとめ
紅葉を楽しむというと、有名な観光スポットを思い浮かべがちですが、静かな場所でゆっくりと紅葉を鑑賞するのもおすすめです。
お寺や歴史ある建物など、普段はあまり行かないような場所へ足を運ぶきっかけにもなるかもしれません。
まだまだ知られていない、紅葉の時期ならではの金沢の美しい魅力を発見してみてはいかがでしょうか。
